大きな一枚葉が特徴的な草である。
アイヌではこの葉陰にコロポックルと呼ばれる
小さな精霊が住んでいるとされる。
本邦では食用とされることが多いが、
アクが強いためアク抜きの手間が必要となる。
このアクには発癌性物質が含まれているともいう。
食べるのは茎の部分だが、中空となっているため、
独特の食感を楽しめる。
春先に地中から姿を現す花芽はふきのとうと呼ばれ、
強い香りと独特の苦みを持つ嗜好品として楽しまれる。
天ぷらにして良し、細かく刻んで味噌と混ぜ、
蕗味噌にして酒の肴にするも良し。
私は大好きである。
さて、フキには生薬としての利用法もある。
その場合には蜂斗菜と呼ばれる。
のどの炎症や咳、たんを止める効能があり、
胃のもたれや痛みにも効く。
打撲や腫瘍を治療するためにも使われたというが、
現在では一般的ではない。
あまり知られていないが、タンポポのような綿毛によって、
風に種子を乗せて生息域を広げる。
西洋では子供が葉を帽子にして遊ぶという。
ギリシア語では雨避け帽子を意味する名が付いている。
英語ではバターバーと呼ばれているが、
これはバターの劣化を抑えるために、
抗酸化作用を持つこの葉でバターを包んでいたことに由来する。
なお、西洋蕗には花粉症を緩和する効果が
あるのではないかと言われており、
研究が進められているらしい。
序説
序説
かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...
2018年3月31日土曜日
2018年3月30日金曜日
タンポポ
アスファルトに咲くことで知られる黄色い花である。
種子には風に乗って飛ぶ綿毛が存在し、
茎は縦に裂くと反り返るため、
子供たちの格好の遊び道具であった。
茎を裂く際に楽器の鼓に見立てていたため、
元々は鼓草(つづみぐさ)と呼ばれていた。
その後、鼓を打つ音を形容した「タン」と「ポポ」が
一つになり、タンポポと呼ばれるようになる。
漢方の生薬では蒲公英として知られる。
炎症を抑える作用があり、特に目に効く。
また、利尿作用も持つ。
切り口から乳状の液体がにじみ出るのだが、
これが乳と似ていることから乳腺炎など
乳房の病にも効くとされてきた。
実際に炎症を抑える力があるため
侮ることはできない。
根を焙煎して煮出すことで
コーヒーに似た風味の飲料を得ることができる。
世界大戦期には代用品として広く利用されたが
カフェインは含まれていない。
このタンポポを使った代用コーヒーには
二日酔いや便秘を改善する効能、
そして利尿作用がある。
面白いことにタンポポはフランスではピッサンリ、
つまり、おねしょと呼ばれている。
タンポポコーヒーを飲んだ子供が
おしっこを我慢できなくなることが由来と思われる。
本邦風に言うならおねしょ草である。
種子には風に乗って飛ぶ綿毛が存在し、
茎は縦に裂くと反り返るため、
子供たちの格好の遊び道具であった。
茎を裂く際に楽器の鼓に見立てていたため、
元々は鼓草(つづみぐさ)と呼ばれていた。
その後、鼓を打つ音を形容した「タン」と「ポポ」が
一つになり、タンポポと呼ばれるようになる。
漢方の生薬では蒲公英として知られる。
炎症を抑える作用があり、特に目に効く。
また、利尿作用も持つ。
切り口から乳状の液体がにじみ出るのだが、
これが乳と似ていることから乳腺炎など
乳房の病にも効くとされてきた。
実際に炎症を抑える力があるため
侮ることはできない。
根を焙煎して煮出すことで
コーヒーに似た風味の飲料を得ることができる。
世界大戦期には代用品として広く利用されたが
カフェインは含まれていない。
このタンポポを使った代用コーヒーには
二日酔いや便秘を改善する効能、
そして利尿作用がある。
面白いことにタンポポはフランスではピッサンリ、
つまり、おねしょと呼ばれている。
タンポポコーヒーを飲んだ子供が
おしっこを我慢できなくなることが由来と思われる。
本邦風に言うならおねしょ草である。
2018年3月29日木曜日
レタス
日常的にサラダなどで好まれる野菜レタスには、
ちしゃという和名がある。
苣という字を書くのだが、
一説によると乳草から変化した名前だという。
新鮮なレタスを切ると、ちょうどタンポポのように、
白く苦い乳状の液体がにじみ出ることに由来する。
また、あまり見る機会はないが、
レタスの花はタンポポに似ている。
元々は火を通して食べられていたが、
肥料由来の寄生虫の心配がなくなり、
冷蔵保管が可能となったことで生食が主流となった。
今でもフランスやチャイナでは、
焼いたり炒めたりする料理が多い。
本邦でも味噌汁の具に加えることがある。
レタスと一口に言っても種類は豊富で、
様々な見た目のものが存在する。
コリア料理で有名なサンチュもレタスの一種である。
古くは催眠作用のある媚薬の材料とされていたが、
例によってそんな効果は無い。
鎮静作用のある物質がごくわずかに含まれている
ことは事実だが、レタスを食べると眠くなるという
与太話は俗信の域を出ない。
ただし、ワイルドレタスと呼ばれる
ブリテン島に自生する種類には若干の催眠効果が認められる。
漢方の生薬に萵苣(ワキョ)と呼ばれるものがあるが、
これは前述のちしゃである。
葉と茎に利尿作用があるとして用いられていたが、
現代では他に効果的な生薬が多いためさほど出番は無い。
なお、レタス栽培の起源は
アケメネス朝ペルシアだと言われている。
ちしゃという和名がある。
苣という字を書くのだが、
一説によると乳草から変化した名前だという。
新鮮なレタスを切ると、ちょうどタンポポのように、
白く苦い乳状の液体がにじみ出ることに由来する。
また、あまり見る機会はないが、
レタスの花はタンポポに似ている。
元々は火を通して食べられていたが、
肥料由来の寄生虫の心配がなくなり、
冷蔵保管が可能となったことで生食が主流となった。
今でもフランスやチャイナでは、
焼いたり炒めたりする料理が多い。
本邦でも味噌汁の具に加えることがある。
レタスと一口に言っても種類は豊富で、
様々な見た目のものが存在する。
コリア料理で有名なサンチュもレタスの一種である。
古くは催眠作用のある媚薬の材料とされていたが、
例によってそんな効果は無い。
鎮静作用のある物質がごくわずかに含まれている
ことは事実だが、レタスを食べると眠くなるという
与太話は俗信の域を出ない。
ただし、ワイルドレタスと呼ばれる
ブリテン島に自生する種類には若干の催眠効果が認められる。
漢方の生薬に萵苣(ワキョ)と呼ばれるものがあるが、
これは前述のちしゃである。
葉と茎に利尿作用があるとして用いられていたが、
現代では他に効果的な生薬が多いためさほど出番は無い。
なお、レタス栽培の起源は
アケメネス朝ペルシアだと言われている。
2018年3月28日水曜日
アイアイ
曲鼻猿の一種で非常に目の大きい猿である。
マダガスカル島に棲むこの猿は、
一見して猿とは思えぬ姿をしており、
古くは大型のリスだと思われていた。
夜行性であり、暗闇の中で目が光を反射して輝く。
中指だけが細長く、アイアイはこの特徴的な指を使い、
木の中の幼虫や木の実の中身を掻き出して食べる。
トントンと木の幹を叩いては音の様子を探り、
幼虫の居場所を発見する様は職人の芸当である。
木の皮を歯でむしり取ると、幼虫の潜む穴に
長い中指をねじ込んでひょいと引っ張り出してしまう。
幼虫を掴んで食べる仕草は猿らしいのだが、
歩き方は猿のそれではない。
中指が邪魔となってうまく歩けないのだ。
マダガスカルの猿たちは現地人の信仰によって
大切にされているものがほとんどだが、
アイアイは悪魔の使いとして恐れられていた。
その姿を見ることは凶兆であり、
実際に農作物を荒らすという被害も生じている。
このため、害獣として駆除されるていることもあり、
生活環境の変化だけが原因ではなく数を減らしている。
本邦では童謡で歌われているため名前だけは知られているが、
漠然と目が大きい猿ということしか伝わっていない。
暗闇を蠢く中指だけが異様に長い
目の大きな生き物に出会ったら、
可愛らしい雰囲気で歌われているアイアイだとは気付かず、
恐怖を感じるかもしれない。
マダガスカル島に棲むこの猿は、
一見して猿とは思えぬ姿をしており、
古くは大型のリスだと思われていた。
夜行性であり、暗闇の中で目が光を反射して輝く。
中指だけが細長く、アイアイはこの特徴的な指を使い、
木の中の幼虫や木の実の中身を掻き出して食べる。
トントンと木の幹を叩いては音の様子を探り、
幼虫の居場所を発見する様は職人の芸当である。
木の皮を歯でむしり取ると、幼虫の潜む穴に
長い中指をねじ込んでひょいと引っ張り出してしまう。
幼虫を掴んで食べる仕草は猿らしいのだが、
歩き方は猿のそれではない。
中指が邪魔となってうまく歩けないのだ。
マダガスカルの猿たちは現地人の信仰によって
大切にされているものがほとんどだが、
アイアイは悪魔の使いとして恐れられていた。
その姿を見ることは凶兆であり、
実際に農作物を荒らすという被害も生じている。
このため、害獣として駆除されるていることもあり、
生活環境の変化だけが原因ではなく数を減らしている。
本邦では童謡で歌われているため名前だけは知られているが、
漠然と目が大きい猿ということしか伝わっていない。
暗闇を蠢く中指だけが異様に長い
目の大きな生き物に出会ったら、
可愛らしい雰囲気で歌われているアイアイだとは気付かず、
恐怖を感じるかもしれない。
2018年3月27日火曜日
インドリ
インドリはマダガスカルにいる猿である。
顔、耳、肩から背中、腿の表側、手足が黒く、他の部分は白い。
尻尾は非常に短い。
鳴き声が驚くほど大きく、
新宿駅から渋谷駅ほどの距離に届く。
インドリはこの鳴き声によって
群れの縄張りを主張するため、
隣り合う群れ同士が呼び掛け合うように鳴く。
あちらこちらから複数の群れが鳴き交わす様は
まるで森の中のコーラスである。
葉や花、果実などを食べて生きているが、
時折地上に降りて土を食べることがある。
インドリがなぜ土を食べるのかは寡聞にして知らないが、
他の土を食べる哺乳類の例から推測するに、
食べた植物の有毒成分を分解するためだろう。
インドリに槍を投げると正確に投げ返してくる
という伝説があり、マダガスカルの人々は
自分たちの祖先の霊が変じたものだと信じていた。
長い年月、人間から危害を加えられることが無かったためか、
インドリたちは人間への警戒心が低い。
しかし、近年は焼き畑によって住処を奪われ、
その数を減らしていると聞く。
顔、耳、肩から背中、腿の表側、手足が黒く、他の部分は白い。
尻尾は非常に短い。
鳴き声が驚くほど大きく、
新宿駅から渋谷駅ほどの距離に届く。
インドリはこの鳴き声によって
群れの縄張りを主張するため、
隣り合う群れ同士が呼び掛け合うように鳴く。
あちらこちらから複数の群れが鳴き交わす様は
まるで森の中のコーラスである。
葉や花、果実などを食べて生きているが、
時折地上に降りて土を食べることがある。
インドリがなぜ土を食べるのかは寡聞にして知らないが、
他の土を食べる哺乳類の例から推測するに、
食べた植物の有毒成分を分解するためだろう。
インドリに槍を投げると正確に投げ返してくる
という伝説があり、マダガスカルの人々は
自分たちの祖先の霊が変じたものだと信じていた。
長い年月、人間から危害を加えられることが無かったためか、
インドリたちは人間への警戒心が低い。
しかし、近年は焼き畑によって住処を奪われ、
その数を減らしていると聞く。
2018年3月26日月曜日
シファカ
狐猿の仲間、インドリと呼ばれる三種類の猿がいる。
いずれもマダガスカル島の固有種だ。
その中で顔が黒く全身の毛が白いのがシファカだ。
シファークと鳴く。
特徴的なのは後ろ足であり、前足と比べてかなり長い。
樹上での生活に適合した結果であろう。
この長い後ろ足のせいで、シファカは地上を四つ足で
歩くことが苦手である。
このため、樹上を伝って移動できない際には、
地面の上を前足を挙げながら飛び跳ねて進むのだが、
正面には跳べず、横っ飛びをする。
なんとも愛らしい姿である。
マダガスカルの現地人もシファカのこの姿に
特別な想いを抱いたようで、
精霊の宿る猿と呼んで大切にしてきた。
しかし、マダガスカルで数々の宝石が
産出することが知られると状況が変わった。
エメラルド、ガーネット、アメシストなどの含まれる鉱石を求め、
人々は森林を伐採し、地中を掘り起こしたのだ。
住む場所を失ったシファカたちは徐々に数を減らし、
人間の畏敬の念も失われ、食用として狩りの対象となった。
精霊の猿は今、危機を迎えている。
いずれもマダガスカル島の固有種だ。
その中で顔が黒く全身の毛が白いのがシファカだ。
シファークと鳴く。
特徴的なのは後ろ足であり、前足と比べてかなり長い。
樹上での生活に適合した結果であろう。
この長い後ろ足のせいで、シファカは地上を四つ足で
歩くことが苦手である。
このため、樹上を伝って移動できない際には、
地面の上を前足を挙げながら飛び跳ねて進むのだが、
正面には跳べず、横っ飛びをする。
なんとも愛らしい姿である。
マダガスカルの現地人もシファカのこの姿に
特別な想いを抱いたようで、
精霊の宿る猿と呼んで大切にしてきた。
しかし、マダガスカルで数々の宝石が
産出することが知られると状況が変わった。
エメラルド、ガーネット、アメシストなどの含まれる鉱石を求め、
人々は森林を伐採し、地中を掘り起こしたのだ。
住む場所を失ったシファカたちは徐々に数を減らし、
人間の畏敬の念も失われ、食用として狩りの対象となった。
精霊の猿は今、危機を迎えている。
2018年3月25日日曜日
羊
羊の家畜化が始まった時期は相当古い。
人類との付き合いが非常に長い生き物なのだ。
とはいえ、実は山羊の方が家畜としての歴史は古い。
これは、肉、乳、皮の利用において羊よりも
山羊の方が優れていたためである。
羊が重要視されるようになったのは、
品種改良によって毛の利用が容易になったためである。
初期の羊は現在のものとは毛の長さが異なり、
山羊毛の方が重宝されていたのだ。
羊は後ろ足の付け根に脂肪を蓄えているのだが、
家畜化の初期はこの脂肪の利用が主であった。
もっとも、毛の長い羊が生み出された時期は
バビロニア黎明期であると言われている。
つまり、十分古い歴史を持っているのだ。
現在主流のメリノ種は、
イスパニア王国の前身であるカスティージャ王国で生まれた。
イスパニア人はこのメリノ種を門外不出として
毛織産業を発達させ、日の沈まぬ帝国の基礎を築いたのだ。
しかし、その後イスパニアはイングランドに敗れ没落し、
内乱に次ぐ内乱の歴史を歩む。
その間に戦利品として持ち出されたメリノ種は各国に流出。
イングランドの産業革命によって全世界に供給される
毛織生地の原料となった。
ところで本邦は羊とはあまり縁のない歴史を歩んできた。
時折大陸から持ち込まれるため、存在自体は認識されていたが、
大規模な飼育が始まったのは明治のことである。
しかし、国産羊毛はすぐに化学繊維に取って代わられてしまった。
毛の話ばかりしたが、食肉としても非常に優れている。
本邦ではさほど馴染みが無いため、
独特の匂いが苦手という人も多いが、
私は羊が大好物である。
宗教の戒律によって禁忌とされることも少ないため、
宮中行事で外国の貴賓を招く際には
羊肉がよく使われる。
ところで、ソーセージの一種であるウインナーは、
羊の腸を利用したものである。
豚の腸を使えばフランクフルトとなり、
牛の腸を使えばボロニアとなる。
コラーゲンを合成した人工の腸を使ったものも存在する。
この場合には太さによって、ウインナー、フランクフルト、
ボロニアと呼び分けられる。
プラスチックなどの食べられない素材で作られたものもある。
魚肉ソーセージやサラミがこれに当たる。
話を羊肉に戻そう。
食肉としての羊はマトンとラム、二つの呼び方がある。
これは牛のように部位によって名称を分けているわけではない。
若い仔羊の肉をラムと呼び、成長した羊の肉をマトンと呼ぶ。
ラムとマトンの間のホゲットというものもあるが、
本邦では一般的ではない。
ラムは臭みが少なく柔らかい。
マトンはその点では劣るが味が濃い。
つまり、香辛料を利かせて煮込んだマトンは最高である。
人類との付き合いが非常に長い生き物なのだ。
とはいえ、実は山羊の方が家畜としての歴史は古い。
これは、肉、乳、皮の利用において羊よりも
山羊の方が優れていたためである。
羊が重要視されるようになったのは、
品種改良によって毛の利用が容易になったためである。
初期の羊は現在のものとは毛の長さが異なり、
山羊毛の方が重宝されていたのだ。
羊は後ろ足の付け根に脂肪を蓄えているのだが、
家畜化の初期はこの脂肪の利用が主であった。
もっとも、毛の長い羊が生み出された時期は
バビロニア黎明期であると言われている。
つまり、十分古い歴史を持っているのだ。
現在主流のメリノ種は、
イスパニア王国の前身であるカスティージャ王国で生まれた。
イスパニア人はこのメリノ種を門外不出として
毛織産業を発達させ、日の沈まぬ帝国の基礎を築いたのだ。
しかし、その後イスパニアはイングランドに敗れ没落し、
内乱に次ぐ内乱の歴史を歩む。
その間に戦利品として持ち出されたメリノ種は各国に流出。
イングランドの産業革命によって全世界に供給される
毛織生地の原料となった。
ところで本邦は羊とはあまり縁のない歴史を歩んできた。
時折大陸から持ち込まれるため、存在自体は認識されていたが、
大規模な飼育が始まったのは明治のことである。
しかし、国産羊毛はすぐに化学繊維に取って代わられてしまった。
毛の話ばかりしたが、食肉としても非常に優れている。
本邦ではさほど馴染みが無いため、
独特の匂いが苦手という人も多いが、
私は羊が大好物である。
宗教の戒律によって禁忌とされることも少ないため、
宮中行事で外国の貴賓を招く際には
羊肉がよく使われる。
ところで、ソーセージの一種であるウインナーは、
羊の腸を利用したものである。
豚の腸を使えばフランクフルトとなり、
牛の腸を使えばボロニアとなる。
コラーゲンを合成した人工の腸を使ったものも存在する。
この場合には太さによって、ウインナー、フランクフルト、
ボロニアと呼び分けられる。
プラスチックなどの食べられない素材で作られたものもある。
魚肉ソーセージやサラミがこれに当たる。
話を羊肉に戻そう。
食肉としての羊はマトンとラム、二つの呼び方がある。
これは牛のように部位によって名称を分けているわけではない。
若い仔羊の肉をラムと呼び、成長した羊の肉をマトンと呼ぶ。
ラムとマトンの間のホゲットというものもあるが、
本邦では一般的ではない。
ラムは臭みが少なく柔らかい。
マトンはその点では劣るが味が濃い。
つまり、香辛料を利かせて煮込んだマトンは最高である。
2018年3月24日土曜日
チンパンジー
アフリカ中央部に生息する最も人間に近い猿である。
基本的には木の上で暮らし、枝葉で作ったベッドで眠る。
群れによっては石や木を道具として使い、
物を投げることも他の猿より得意だ。
物を投げるということは、動物の中でも
限られたものにのみ可能な行為である。
大前提として物を掴む手と良く動く肩が必要だからだ。
ゴリラやオランウータンも物を投げられる。
しかし、チンパンジーほど狙った場所には投げられない。
もっとも、人間の投擲能力には遠く及ばず、
速度も正確性もずっと低いものである。
だが握力は侮れない。
雄の成獣であれば人間の成人男性の五倍もの握力を持つ。
知能に関しては人間の幼児程度だと言われており、
教え込めば簡単な言語やじゃんけんなども習得する。
ある霊長類研究所では、人間が鍵を扱う動きを見て覚え、
自分が入れられている檻の鍵を開け脱走したという。
その際に、他の猿の檻まで開けてしまったというが、
これは単純に鍵を開けることを楽しんだ結果だと見られている。
ところでオリバーという名の謎の類人猿をご存知だろうか。
結論から言うとチンパンジーだったのだが、
顔に毛がなく、直立二足歩行を常としていたため、
人間とチンパンジーの中間に当たる類人猿だと思われたのだ。
直立歩行できるよう訓練されていただけなのだが、
世界各地の亜人型未確認生物の正体だとか、
人間との混血であるなどともてはやされ、
空前絶後の大発見として多くの人々が熱狂した。
テレビの作り出した虚構の中でも最高峰であったオリバー君は、
その人気が冷めるとチンパンジーとしての暮らしに戻ったという。
そういえば映画「猿の惑星」が公開されたのは
オリバー君の流行前のことである。
この映画が無ければこうした騒動も無かったかもしれない。
基本的には木の上で暮らし、枝葉で作ったベッドで眠る。
群れによっては石や木を道具として使い、
物を投げることも他の猿より得意だ。
物を投げるということは、動物の中でも
限られたものにのみ可能な行為である。
大前提として物を掴む手と良く動く肩が必要だからだ。
ゴリラやオランウータンも物を投げられる。
しかし、チンパンジーほど狙った場所には投げられない。
もっとも、人間の投擲能力には遠く及ばず、
速度も正確性もずっと低いものである。
だが握力は侮れない。
雄の成獣であれば人間の成人男性の五倍もの握力を持つ。
知能に関しては人間の幼児程度だと言われており、
教え込めば簡単な言語やじゃんけんなども習得する。
ある霊長類研究所では、人間が鍵を扱う動きを見て覚え、
自分が入れられている檻の鍵を開け脱走したという。
その際に、他の猿の檻まで開けてしまったというが、
これは単純に鍵を開けることを楽しんだ結果だと見られている。
ところでオリバーという名の謎の類人猿をご存知だろうか。
結論から言うとチンパンジーだったのだが、
顔に毛がなく、直立二足歩行を常としていたため、
人間とチンパンジーの中間に当たる類人猿だと思われたのだ。
直立歩行できるよう訓練されていただけなのだが、
世界各地の亜人型未確認生物の正体だとか、
人間との混血であるなどともてはやされ、
空前絶後の大発見として多くの人々が熱狂した。
テレビの作り出した虚構の中でも最高峰であったオリバー君は、
その人気が冷めるとチンパンジーとしての暮らしに戻ったという。
そういえば映画「猿の惑星」が公開されたのは
オリバー君の流行前のことである。
この映画が無ければこうした騒動も無かったかもしれない。
2018年3月23日金曜日
ハリモグラ
オーストラリアにいるハリネズミに似た姿を持つこの動物は、
モグラと呼ばれているがカモノハシの仲間である。
細長い嘴があり、背中はハリネズミやヤマアラシのように
鋭い針で覆われている。
また、アルマジロのように丸まることも可能だ。
カモノハシと同じく哺乳類だが卵を産み、
後ろ足には棘を持つ。
ただし、カモノハシと違って棘に毒はない。
蟻を食べることから、棘のあるアリクイとも呼ばれており、
エキドナと呼ぶ地域もある。
エキドナとはギリシア神話に登場する怪物たちの母親である。
ケルベロスやヒュドラ、スピンクスの
母親と言えば想像しやすいだろうか。
ハリネズミ、モグラ、アルマジロ、アリクイに似た
嘴を持った生き物であり、卵まで産むことから、
怪物を連想させるこの名が付けられたのだろう。
奇怪な存在だが、見た目は非常に可愛らしい。
体は意外と大きく、成人男性の両手の平に余る。
嘴の長さは一般的な鉛筆の半分ぐらいだろうか。
穴を掘るのが得意であり、地中の虫を狙う。
また、外敵に襲われた際にも穴を掘って身を隠そうとする。
もっとも、完全に地中に潜るわけではなく、
針に覆われた背中は地上に露出させておくという。
普段は地上を歩き回っているが、
子供を産み育てる際には巣穴を掘る。
卵から生まれた子供は針が生えるまでは
母親の体にある袋の中で成長する。
有袋類ではないが、似たような袋を持つのだ。
モグラと呼ばれているがカモノハシの仲間である。
細長い嘴があり、背中はハリネズミやヤマアラシのように
鋭い針で覆われている。
また、アルマジロのように丸まることも可能だ。
カモノハシと同じく哺乳類だが卵を産み、
後ろ足には棘を持つ。
ただし、カモノハシと違って棘に毒はない。
蟻を食べることから、棘のあるアリクイとも呼ばれており、
エキドナと呼ぶ地域もある。
エキドナとはギリシア神話に登場する怪物たちの母親である。
ケルベロスやヒュドラ、スピンクスの
母親と言えば想像しやすいだろうか。
ハリネズミ、モグラ、アルマジロ、アリクイに似た
嘴を持った生き物であり、卵まで産むことから、
怪物を連想させるこの名が付けられたのだろう。
奇怪な存在だが、見た目は非常に可愛らしい。
体は意外と大きく、成人男性の両手の平に余る。
嘴の長さは一般的な鉛筆の半分ぐらいだろうか。
穴を掘るのが得意であり、地中の虫を狙う。
また、外敵に襲われた際にも穴を掘って身を隠そうとする。
もっとも、完全に地中に潜るわけではなく、
針に覆われた背中は地上に露出させておくという。
普段は地上を歩き回っているが、
子供を産み育てる際には巣穴を掘る。
卵から生まれた子供は針が生えるまでは
母親の体にある袋の中で成長する。
有袋類ではないが、似たような袋を持つのだ。
2018年3月22日木曜日
ゴリラ
生物学者の分類によるとゴリラは
かなり人間に近い生き物である。
ヒト科はオランウータン亜科とヒト亜科に分かれ、
ヒト亜科はゴリラ族とヒト族に分かれ、
ヒト族はチンパンジー属とヒト属に分かれているのだという。
つまり、チンパンジーほどではないが、
人間と同じ病に感染するなど、
相当に近しい存在なのだ。
食事中に鼻歌を歌うとも言われており、
なかなかに親近感の湧く存在だ。
古くはカルタゴのハンノがアフリカ西岸を探検した際に、
毛深い人間を発見したと報告している。
その際にハンノは彼らをゴリラ族と呼んでいる。
凶暴で強い生き物だと思われがちだが、
人間同様に個体差が大きいという。
他の生き物に警戒し興奮する若者たちを
年長者が諫める様子も確認された。
また、動物園の掘の中に落ちた人間の子供を介抱して
飼育員に手渡した例もあり侮れない。
ハンノがゴリラを動物ではなく
人間の一部族だと報告したのも頷ける。
立派な体格を持つゴリラたちだが、
神経性の胃腸炎で下痢をするなど、
精神的なストレスに意外な脆さを見せるという。
ゴリラの世界も楽ではないようだ。
かなり人間に近い生き物である。
ヒト科はオランウータン亜科とヒト亜科に分かれ、
ヒト亜科はゴリラ族とヒト族に分かれ、
ヒト族はチンパンジー属とヒト属に分かれているのだという。
つまり、チンパンジーほどではないが、
人間と同じ病に感染するなど、
相当に近しい存在なのだ。
食事中に鼻歌を歌うとも言われており、
なかなかに親近感の湧く存在だ。
古くはカルタゴのハンノがアフリカ西岸を探検した際に、
毛深い人間を発見したと報告している。
その際にハンノは彼らをゴリラ族と呼んでいる。
凶暴で強い生き物だと思われがちだが、
人間同様に個体差が大きいという。
他の生き物に警戒し興奮する若者たちを
年長者が諫める様子も確認された。
また、動物園の掘の中に落ちた人間の子供を介抱して
飼育員に手渡した例もあり侮れない。
ハンノがゴリラを動物ではなく
人間の一部族だと報告したのも頷ける。
立派な体格を持つゴリラたちだが、
神経性の胃腸炎で下痢をするなど、
精神的なストレスに意外な脆さを見せるという。
ゴリラの世界も楽ではないようだ。
2018年3月21日水曜日
クアッガ
半分だけのシマウマである。
どういうことかというと、
体の前方にだけ縞模様があり、
後ろ側はロバと同じなのだ。
ボーア人が笑って言うには
「ズボンをはき忘れたシマウマ」なのだという。
珍奇である。
すでに絶滅してしまった生き物だが、
剥製から採取した情報を元に近縁のシマウマを交配し、
復活させようというプロジェクトも動いている。
名前の由来は特徴的な鳴き声だという。
クーアッハクーアッハと鳴くのでクアッガなのだ。
馬に似た他の生き物にこんな鳴き方をするものはいない。
また、何故こんなにも中途半端な見た目をしているのかも
解明されてはいない。
昔、アフリカ南部に入植したボーア人たちは
そこで大々的に牛と羊の放牧を開始した。
放牧の邪魔となるクアッガは積極的に狩られ、
やがては絶滅してしまったという。
ちなみに肉の味はシマウマとロバの中間ではなく、
牛と羊の中間だそうである。
どういうことかというと、
体の前方にだけ縞模様があり、
後ろ側はロバと同じなのだ。
ボーア人が笑って言うには
「ズボンをはき忘れたシマウマ」なのだという。
珍奇である。
すでに絶滅してしまった生き物だが、
剥製から採取した情報を元に近縁のシマウマを交配し、
復活させようというプロジェクトも動いている。
名前の由来は特徴的な鳴き声だという。
クーアッハクーアッハと鳴くのでクアッガなのだ。
馬に似た他の生き物にこんな鳴き方をするものはいない。
また、何故こんなにも中途半端な見た目をしているのかも
解明されてはいない。
昔、アフリカ南部に入植したボーア人たちは
そこで大々的に牛と羊の放牧を開始した。
放牧の邪魔となるクアッガは積極的に狩られ、
やがては絶滅してしまったという。
ちなみに肉の味はシマウマとロバの中間ではなく、
牛と羊の中間だそうである。
2018年3月20日火曜日
インパラ
アフリカに生息する鹿のような生き物だが、
実は牛の仲間である。
羚羊やアンテロープとも呼ばれ、
こうした呼び方をする場合、より広い定義となる。
牛の仲間の中で鹿に似た連中が
羚羊だと思っておいてもそう間違いはないだろう。
さて、アフリカ全土にいるような気になっている
インパラだが、実際には南東地域にのみ生息している。
一般的な草食動物らしい生き物であり、
跳躍力が高いことと、特徴的な角を持つこと以外は、
特筆すべき点はあまりない。
よって、角の話をしよう。
繁殖期になるとインパラの雄たちは
押し相撲をして優劣を競い合う。
その際に互いの角をがっちりと組み合わせ、
壮絶な力比べを繰り広げる。
言い忘れたが角があるのは
他の多くの動物と同様に雄だけである。
敗れた雄たちは群れを追い出され、
最も強いものだけが残り、雌を独占するという。
追い出された雄たちは雄だけの群れを作って過ごすのだが、
雌を率いる王者に隙があればいつでも挑戦し、
その地位を奪うことができる。
一度頂点に立ったとしても、
常に気を抜くことはできないのだ。
ところで、羚羊の角は魔術の素材として重宝されてきた。
現代においても呪術医が用いる例があるほどだ。
キリスト教徒が信仰の対象とする十字架の由来には
様々な説があるが、この羚羊の角を二本組み合わせた十字は
新約と旧約、二つの神との契約を表し、
原初キリスト教のシンボルであったという説もある。
それはそうとインパラはライオンに狩られている印象が強い。
実は牛の仲間である。
羚羊やアンテロープとも呼ばれ、
こうした呼び方をする場合、より広い定義となる。
牛の仲間の中で鹿に似た連中が
羚羊だと思っておいてもそう間違いはないだろう。
さて、アフリカ全土にいるような気になっている
インパラだが、実際には南東地域にのみ生息している。
一般的な草食動物らしい生き物であり、
跳躍力が高いことと、特徴的な角を持つこと以外は、
特筆すべき点はあまりない。
よって、角の話をしよう。
繁殖期になるとインパラの雄たちは
押し相撲をして優劣を競い合う。
その際に互いの角をがっちりと組み合わせ、
壮絶な力比べを繰り広げる。
言い忘れたが角があるのは
他の多くの動物と同様に雄だけである。
敗れた雄たちは群れを追い出され、
最も強いものだけが残り、雌を独占するという。
追い出された雄たちは雄だけの群れを作って過ごすのだが、
雌を率いる王者に隙があればいつでも挑戦し、
その地位を奪うことができる。
一度頂点に立ったとしても、
常に気を抜くことはできないのだ。
ところで、羚羊の角は魔術の素材として重宝されてきた。
現代においても呪術医が用いる例があるほどだ。
キリスト教徒が信仰の対象とする十字架の由来には
様々な説があるが、この羚羊の角を二本組み合わせた十字は
新約と旧約、二つの神との契約を表し、
原初キリスト教のシンボルであったという説もある。
それはそうとインパラはライオンに狩られている印象が強い。
2018年3月19日月曜日
マンボウ
巨大な魚である。
普通、魚というと前後に長いものだが、
このマンボウという魚は縦の幅も長く、
左右の幅は狭い。
つまり平べったい板のような生き物だ。
そして、成人男性がマンボウの影に
すっぽりと隠れてしまうほど大きい。
そんな巨大魚だが、驚くほど簡単に
死んでしまうと信じられている。
曰く、太陽光が強すぎると死ぬ。
曰く、食べた小魚の骨が喉に刺さって死ぬ。
曰く、皮膚が弱く簡単に傷付きそれが元で死ぬ。
曰く、近くで仲間が死ぬとショックで死ぬ。
他にも枚挙に暇がない。
だが、これらの噂はデマである。
実際には普通の魚と大差はない。
エイやサメを除いた魚の中で最大級のマンボウに
天敵らしい天敵はいないのだが、
産み出す卵の数は非常に多い。
それらの卵は親によって保護されることがないため、
多くは他の魚によって食べられてしまう。
一時期は産卵数がアメリカ合衆国の人口に匹敵すると言われ、
その中から生き残るのはたったの二匹などとまことしやかに
囁かれていたが、こうした噂はおそらく事実ではないだろう。
なお、マンボウの稚魚は金平糖のように角ばっている。
マンボウはフグの仲間なのだが、毒は無い。
非常に美味な魚であり、食べられる部分が多いため、
船乗りたちにとっては貴重な食料であった。
私も食べたことがあるが、
残念ながらかなり鮮度が落ちていたため、
生食では不味かった。
普通、魚というと前後に長いものだが、
このマンボウという魚は縦の幅も長く、
左右の幅は狭い。
つまり平べったい板のような生き物だ。
そして、成人男性がマンボウの影に
すっぽりと隠れてしまうほど大きい。
そんな巨大魚だが、驚くほど簡単に
死んでしまうと信じられている。
曰く、太陽光が強すぎると死ぬ。
曰く、食べた小魚の骨が喉に刺さって死ぬ。
曰く、皮膚が弱く簡単に傷付きそれが元で死ぬ。
曰く、近くで仲間が死ぬとショックで死ぬ。
他にも枚挙に暇がない。
だが、これらの噂はデマである。
実際には普通の魚と大差はない。
エイやサメを除いた魚の中で最大級のマンボウに
天敵らしい天敵はいないのだが、
産み出す卵の数は非常に多い。
それらの卵は親によって保護されることがないため、
多くは他の魚によって食べられてしまう。
一時期は産卵数がアメリカ合衆国の人口に匹敵すると言われ、
その中から生き残るのはたったの二匹などとまことしやかに
囁かれていたが、こうした噂はおそらく事実ではないだろう。
なお、マンボウの稚魚は金平糖のように角ばっている。
マンボウはフグの仲間なのだが、毒は無い。
非常に美味な魚であり、食べられる部分が多いため、
船乗りたちにとっては貴重な食料であった。
私も食べたことがあるが、
残念ながらかなり鮮度が落ちていたため、
生食では不味かった。
2018年3月18日日曜日
水牛
牛の仲間は牛とバイソンと二種類の水牛に分けられる。
水牛のことをバッファローと呼ぶが、
バイソンのことをバッファローと呼ぶことも多い。
誤用が定着したものである。
牛と水牛の大きな違いは、角の大きさである。
非常に発達した角は時に凶器となる。
アフリカの水牛とアジアの水牛の差も角にあり、
アフリカ種は頭部を覆うような広がった角が特徴的だ。
また、水牛はその名の通り川や沼などの水辺を好む。
水牛の乳は牛の乳と比べて脂肪分が多く、
モッツァレラチーズの原料として有名だ。
癖が無く、独特の弾力を持つこのチーズは、
ピッツァやパスタなどに用いられ、
主にイタリア料理で好んで使われる。
食用という点に関しては、インドでの扱いが興味深い。
知っての通り、インドではヒンドゥー教の影響で
牛肉を食べることは極めて稀である。
しかし、水牛肉を食べることは禁忌ではない。
冥界の神ヤマの乗り物は水牛とされているが、
これは水が冥界へと繋がっているため、
水の中に入っていく水牛が適していると考えられたからだろう。
また、マヒシャースラという魔神が神々を脅かした際、
魔神は次々と姿を変えて戦ったのだが、
討ち取られた際の姿が水牛であった。
こうした背景により、水牛は神聖な存在とは見做されず、
殺して食べても良い生き物とされたのだと思われる。
ただし、その肉は硬く、よく煮込まなければ
美味しく食べることはできない。
だが、そもそも水牛は非常に有益な家畜である。
水を厭わない性質から水田での作業に向いており、
労働家畜として重宝されてきたのだ。
そうした家畜を食べる場面というのは、
やはり老いて死に至るものを供していたのだろう。
つまり、ただでさえ硬い肉を
コンディションの悪い状態で食べていたのだ。
もっとも、それは水牛だけでなく
牛や他の家畜にも言えることだろう。
水牛のことをバッファローと呼ぶが、
バイソンのことをバッファローと呼ぶことも多い。
誤用が定着したものである。
牛と水牛の大きな違いは、角の大きさである。
非常に発達した角は時に凶器となる。
アフリカの水牛とアジアの水牛の差も角にあり、
アフリカ種は頭部を覆うような広がった角が特徴的だ。
また、水牛はその名の通り川や沼などの水辺を好む。
水牛の乳は牛の乳と比べて脂肪分が多く、
モッツァレラチーズの原料として有名だ。
癖が無く、独特の弾力を持つこのチーズは、
ピッツァやパスタなどに用いられ、
主にイタリア料理で好んで使われる。
食用という点に関しては、インドでの扱いが興味深い。
知っての通り、インドではヒンドゥー教の影響で
牛肉を食べることは極めて稀である。
しかし、水牛肉を食べることは禁忌ではない。
冥界の神ヤマの乗り物は水牛とされているが、
これは水が冥界へと繋がっているため、
水の中に入っていく水牛が適していると考えられたからだろう。
また、マヒシャースラという魔神が神々を脅かした際、
魔神は次々と姿を変えて戦ったのだが、
討ち取られた際の姿が水牛であった。
こうした背景により、水牛は神聖な存在とは見做されず、
殺して食べても良い生き物とされたのだと思われる。
ただし、その肉は硬く、よく煮込まなければ
美味しく食べることはできない。
だが、そもそも水牛は非常に有益な家畜である。
水を厭わない性質から水田での作業に向いており、
労働家畜として重宝されてきたのだ。
そうした家畜を食べる場面というのは、
やはり老いて死に至るものを供していたのだろう。
つまり、ただでさえ硬い肉を
コンディションの悪い状態で食べていたのだ。
もっとも、それは水牛だけでなく
牛や他の家畜にも言えることだろう。
2018年3月17日土曜日
カバ
私が子供の頃、動物園でカバを見た。
そのカバは尻尾を回転させながらフンを出し、
それを撒き散らしていた。
まるでスプリンクラーのようだった。
さて、河馬の名は西洋でも川の馬として知られている。
馬というより豚のような体つきに思えるが、
実際には鯨に近い動物らしい。
鯨は牛の仲間から派生した動物である。
馬でも豚でもなく牛であった。
草食動物であるが、非常に獰猛なことで知られ、
強靭な体躯をも併せ持つため大変危険である。
サイと並んでゾウに次ぐ体格の持ち主だが、
自動車並の速度で走るうえに、アゴの力が強力である。
ワニに噛みついて引き裂いたという話もあり、
恐怖を禁じ得ない。
実際に、不用意に近付いて襲われ死亡した人間も多く、
現地人が最も恐れる野生動物だという。
フンを飛ばして縄張りに臭いを付ける習性があり、
その縄張り内に入った者を敵と認識する。
私が子供の頃に見た行動にはそんな意味があったのだ。
また、カバはその名の通り水の中を好む。
皮膚は乾燥に弱く、基本的に水中にいる。
ただし泳ぐのは苦手で水底を歩く。
陸上で行動する際には皮膚から特殊な粘液を分泌するのだが、
この粘液は赤い汗とも呼ばれている。
なお、人間や馬のかく汗とはまったくの別物である。
皮膚を乾燥から守だけではなく、紫外線をカットし、
殺菌効果まで持つという。
水中生活に適応するため、カバの目と耳は上部に突き出ている。
水に潜ったまま周囲を窺うことができるのだが、
こうした特徴はワニに非常に似ている。
大昔にはナイル川下流にも生息していたが、
現在はサハラ以南でのみ見ることができる。
しかし、ワニとカバの生息する川というのも恐ろしい話である。
そのカバは尻尾を回転させながらフンを出し、
それを撒き散らしていた。
まるでスプリンクラーのようだった。
さて、河馬の名は西洋でも川の馬として知られている。
馬というより豚のような体つきに思えるが、
実際には鯨に近い動物らしい。
鯨は牛の仲間から派生した動物である。
馬でも豚でもなく牛であった。
草食動物であるが、非常に獰猛なことで知られ、
強靭な体躯をも併せ持つため大変危険である。
サイと並んでゾウに次ぐ体格の持ち主だが、
自動車並の速度で走るうえに、アゴの力が強力である。
ワニに噛みついて引き裂いたという話もあり、
恐怖を禁じ得ない。
実際に、不用意に近付いて襲われ死亡した人間も多く、
現地人が最も恐れる野生動物だという。
フンを飛ばして縄張りに臭いを付ける習性があり、
その縄張り内に入った者を敵と認識する。
私が子供の頃に見た行動にはそんな意味があったのだ。
また、カバはその名の通り水の中を好む。
皮膚は乾燥に弱く、基本的に水中にいる。
ただし泳ぐのは苦手で水底を歩く。
陸上で行動する際には皮膚から特殊な粘液を分泌するのだが、
この粘液は赤い汗とも呼ばれている。
なお、人間や馬のかく汗とはまったくの別物である。
皮膚を乾燥から守だけではなく、紫外線をカットし、
殺菌効果まで持つという。
水中生活に適応するため、カバの目と耳は上部に突き出ている。
水に潜ったまま周囲を窺うことができるのだが、
こうした特徴はワニに非常に似ている。
大昔にはナイル川下流にも生息していたが、
現在はサハラ以南でのみ見ることができる。
しかし、ワニとカバの生息する川というのも恐ろしい話である。
2018年3月16日金曜日
ライオン
百獣の王として知られる猫の仲間の肉食動物である。
現存種最大のネコ科動物はトラだが、
ライオンは二番目に大きい。
アフリカだけでなく、
大昔にはギリシアにも生息していたという。
雄にはたてがみがあり、獅子と呼ばれ好まれる。
ところでこの、たてがみの色が何色か分かるだろうか。
通常、ライオンのたてがみは黄色から黒の間で個体差がある。
健康なライオンほど黒に近くなるという。
つまり、金のたてがみを持つライオンはあまり健康ではないのだ。
当然、ライオンの雌も黒くてふさふさしたたてがみを持つ雄を好む。
ちなみにライオンの群れは雌だけが狩りを行う。
リーダーの雄は君臨するだけである。
獅子は千尋の谷に我が子を突き落とすと言われているが、
実際にはそこまで苛烈ではない。
しかし、雄の子供はある程度の年齢になると群れを追い出される。
兄弟、もしくは、同じように群れを追い出されたものとペアと組み、
アフリカの地を放浪しながら生きる術を身に付けていく。
運と才覚、相棒との連携を頼りに逞しく育った二頭は、
年老いて弱ったリーダーの率いる群れを襲い、
群れを乗っ取って新たなリーダーになる。
したがって、ライオンの群れの長は二頭いるのだ。
兄弟、あるいは義兄弟の物語を想像すると、
少し胸が熱くなる。
話は変わるが、いつぞやの冬季オリンピックにおいて、
ある外国のフィギュア選手が衣装の背中にカタカナで
「ライーヨー」と書いていた。
ライオンのつもりだったらしい。
現存種最大のネコ科動物はトラだが、
ライオンは二番目に大きい。
アフリカだけでなく、
大昔にはギリシアにも生息していたという。
雄にはたてがみがあり、獅子と呼ばれ好まれる。
ところでこの、たてがみの色が何色か分かるだろうか。
通常、ライオンのたてがみは黄色から黒の間で個体差がある。
健康なライオンほど黒に近くなるという。
つまり、金のたてがみを持つライオンはあまり健康ではないのだ。
当然、ライオンの雌も黒くてふさふさしたたてがみを持つ雄を好む。
ちなみにライオンの群れは雌だけが狩りを行う。
リーダーの雄は君臨するだけである。
獅子は千尋の谷に我が子を突き落とすと言われているが、
実際にはそこまで苛烈ではない。
しかし、雄の子供はある程度の年齢になると群れを追い出される。
兄弟、もしくは、同じように群れを追い出されたものとペアと組み、
アフリカの地を放浪しながら生きる術を身に付けていく。
運と才覚、相棒との連携を頼りに逞しく育った二頭は、
年老いて弱ったリーダーの率いる群れを襲い、
群れを乗っ取って新たなリーダーになる。
したがって、ライオンの群れの長は二頭いるのだ。
兄弟、あるいは義兄弟の物語を想像すると、
少し胸が熱くなる。
話は変わるが、いつぞやの冬季オリンピックにおいて、
ある外国のフィギュア選手が衣装の背中にカタカナで
「ライーヨー」と書いていた。
ライオンのつもりだったらしい。
2018年3月15日木曜日
サイ
鼻に角を持つ者という意味合いの名の
鎧をまとったが如き大きな体を持つ動物である。
生息地はアフリカから東南アジアまでと意外と広く、
インドサイ、ジャワサイ、スマトラサイなどがいる。
本邦では古くより知られていたが、
その角で毒を浄化する霊獣、
つまり想像上の動物として扱われていた。
昔の絵を見ると、ジャッカルのような動物の
頭の中心から一本の角が生えている。
実際のサイは角が二本縦に並んでいたりもする。
アルブレヒト・デューラーのサイと比べるのは酷だが、
もう少しどうにかならなかったものだろうか。
なお、一本角を持ち解毒能力がある動物と言えば、
東洋の犀に対して西洋のユニコーンが思い出される。
もしかするとどちらも想像の源泉は同じサイなのかもしれない。
毒のある水でも角を浸した後は他の動物も
飲むことができるようになるという伝説なのだが、
一本角に対する信仰とも言うべき伝承は様々だ。
良いイメージのものが圧倒的に多いのが興味深い。
さて、そんなサイの角だが、あれは骨ではない。
髪の毛や爪に近い形質であり、
折れてもまた生えてくるという。
前述のとおりサイの角には解毒効果があると
広く信じられてきたため、
大昔よりその採取が試みられてきた。
角だけを切り取ればいい話なのだが、
サイはとても危険な動物である。
キリンほどではなく短距離専門だがかなりの速度で走る。
よって、密猟者は距離を取ってサイを殺し、
その角を手に入れることになる。
絶滅が危惧されているのはこうした密猟によるものなのだ。
なお、犀角の薬効は麻疹を治療するものとされているが、
そんな効果はない。
鎧をまとったが如き大きな体を持つ動物である。
生息地はアフリカから東南アジアまでと意外と広く、
インドサイ、ジャワサイ、スマトラサイなどがいる。
本邦では古くより知られていたが、
その角で毒を浄化する霊獣、
つまり想像上の動物として扱われていた。
昔の絵を見ると、ジャッカルのような動物の
頭の中心から一本の角が生えている。
実際のサイは角が二本縦に並んでいたりもする。
アルブレヒト・デューラーのサイと比べるのは酷だが、
もう少しどうにかならなかったものだろうか。
なお、一本角を持ち解毒能力がある動物と言えば、
東洋の犀に対して西洋のユニコーンが思い出される。
もしかするとどちらも想像の源泉は同じサイなのかもしれない。
毒のある水でも角を浸した後は他の動物も
飲むことができるようになるという伝説なのだが、
一本角に対する信仰とも言うべき伝承は様々だ。
良いイメージのものが圧倒的に多いのが興味深い。
さて、そんなサイの角だが、あれは骨ではない。
髪の毛や爪に近い形質であり、
折れてもまた生えてくるという。
前述のとおりサイの角には解毒効果があると
広く信じられてきたため、
大昔よりその採取が試みられてきた。
角だけを切り取ればいい話なのだが、
サイはとても危険な動物である。
キリンほどではなく短距離専門だがかなりの速度で走る。
よって、密猟者は距離を取ってサイを殺し、
その角を手に入れることになる。
絶滅が危惧されているのはこうした密猟によるものなのだ。
なお、犀角の薬効は麻疹を治療するものとされているが、
そんな効果はない。
2018年3月14日水曜日
キリン
巨大な体に独特の斑紋を持つ首の長い動物である。
鳴き声は牛に似るが滅多に鳴かない。
その首の長さはあまりに異様であり、他に類を見ない。
それでいて首の骨の数は我々人間と
変わらないというから不思議である。
キリンという名前は伝説の生き物麒麟に由来する。
これは明の時代に大航海を行った鄭和が
アフリカから連れ帰ったこの生き物を
瑞兆動物である麒麟だと言って皇帝に献上したためだ。
伝説上の麒麟とは角が生えていることぐらいしか
共通点は見当たらないが、鄭和は麒麟と言い張った。
なお、現在のチャイナではこの動物を
麒麟ではなく長頸鹿と呼んでいる。
キリンとは朝鮮半島と本邦でのみ通用する呼び方なのだ。
ギラファ、英語読みでジラフの名は、
アラビア語の速く走る者という由来がある。
また、豹柄の駱駝とも呼ばれる。
というのも、キリンはあの図体でありながら、
自動車ほどの速度で走ることが可能なのだ。
道によってはスピード違反で捕まる速さである。
あの体躯でそれだけの速度が出るのだから、
蹴とばされたらひとたまりもない。
ライオンなどの肉食動物も恐れて近寄らないほどだ。
知っての通りキリンは草食動物だが、
稀にタンパク質を求めて鳥を食べるという。
動物園でも鳩を狙って話題になることがある。
変わったところでは、来園者の持ち込んだ
トンカツを奪って食べたことがあるらしい。
意味がわからないが、そう聞いた。
鳴き声は牛に似るが滅多に鳴かない。
その首の長さはあまりに異様であり、他に類を見ない。
それでいて首の骨の数は我々人間と
変わらないというから不思議である。
キリンという名前は伝説の生き物麒麟に由来する。
これは明の時代に大航海を行った鄭和が
アフリカから連れ帰ったこの生き物を
瑞兆動物である麒麟だと言って皇帝に献上したためだ。
伝説上の麒麟とは角が生えていることぐらいしか
共通点は見当たらないが、鄭和は麒麟と言い張った。
なお、現在のチャイナではこの動物を
麒麟ではなく長頸鹿と呼んでいる。
キリンとは朝鮮半島と本邦でのみ通用する呼び方なのだ。
ギラファ、英語読みでジラフの名は、
アラビア語の速く走る者という由来がある。
また、豹柄の駱駝とも呼ばれる。
というのも、キリンはあの図体でありながら、
自動車ほどの速度で走ることが可能なのだ。
道によってはスピード違反で捕まる速さである。
あの体躯でそれだけの速度が出るのだから、
蹴とばされたらひとたまりもない。
ライオンなどの肉食動物も恐れて近寄らないほどだ。
知っての通りキリンは草食動物だが、
稀にタンパク質を求めて鳥を食べるという。
動物園でも鳩を狙って話題になることがある。
変わったところでは、来園者の持ち込んだ
トンカツを奪って食べたことがあるらしい。
意味がわからないが、そう聞いた。
2018年3月13日火曜日
シマウマ
我々は縞模様の馬だと認識しているが、
縞模様のロバと呼ばれている地域もある。
というのも、本邦本来の馬との大きさの差はそこまでないが、
サラブレットでイメージされるような大型の馬と比べると
シマウマはかなり小さい。
なので大きな馬を見慣れていた地域の者たちは、
この生物をロバの仲間だと認識したのだろう。
だが、馬ともロバとも大きく違う点がある。
それは気性の粗さだ。
ヨーロッパ人たちはこの独特な模様を持つ
馬に似た生き物の家畜化に熱心に取り組んできた。
しかし、馴らすことはできても
家畜とすることはできなかったのだ。
ところで、何故シマウマはあれほど目立つ模様をしているのか。
誰もが疑問に思うことだろう。
荒野の中であの色と模様では目立って仕方がない。
肉食動物に狙ってくれと言わんばかりではないか。
私も子供の頃はそう思っていた。
シマウマは群れで暮らす生き物である。
肉食動物は基本的に、群れの中でも弱っているものや、
体の小さいもの、群れからはぐれたものを狙う。
シマウマがひとかたまりの群れとなった時、
あの縞模様の影響で一体一体の識別が困難となる。
つまり、肉食動物が弱い個体に狙いを付けにくくなるのだ。
また、多くの哺乳類の目は人間ほど色の識別ができないという。
白と黒のコントラストが目を引くシマウマだが、
色の識別能力の低い動物からしてみれば、
草むらの陰翳と見分けがつかないというのだ。
ところで、ダズル迷彩というものを聞いたことはあるだろうか。
世界大戦の頃に流行した軍艦の塗装のことであり、
幻惑迷彩とも呼ばれるものだ。
ノーマン・ウィルキンソンという画家が考案した
縞模様の塗装方法なのだが、船の形、大きさ、
進行方向、速度の計測が難しくなるという。
エドワード・ワズワースの作である
リバプールのダズル艦という絵画に、
ダズル迷彩が施された軍艦が描かれている。
あの絵を見ればその効果が良くわかるだろう。
ただし、実戦においては大した効果は無かったらしい。
もっとも、その特異な見た目は民衆を沸き立たせ、
士気を高揚するという効果が得られたようだ。
話をシマウマに戻そう。
つまりは、シマウマの体の模様にはダズル迷彩のように、
体の大きさや移動方向を幻惑する効果があるのだと思われる。
街で見掛けるゼブラ柄の服を身に付けた女性も、
もしかするとその体型を幻惑させているのかもしれない。
縞模様のロバと呼ばれている地域もある。
というのも、本邦本来の馬との大きさの差はそこまでないが、
サラブレットでイメージされるような大型の馬と比べると
シマウマはかなり小さい。
なので大きな馬を見慣れていた地域の者たちは、
この生物をロバの仲間だと認識したのだろう。
だが、馬ともロバとも大きく違う点がある。
それは気性の粗さだ。
ヨーロッパ人たちはこの独特な模様を持つ
馬に似た生き物の家畜化に熱心に取り組んできた。
しかし、馴らすことはできても
家畜とすることはできなかったのだ。
ところで、何故シマウマはあれほど目立つ模様をしているのか。
誰もが疑問に思うことだろう。
荒野の中であの色と模様では目立って仕方がない。
肉食動物に狙ってくれと言わんばかりではないか。
私も子供の頃はそう思っていた。
シマウマは群れで暮らす生き物である。
肉食動物は基本的に、群れの中でも弱っているものや、
体の小さいもの、群れからはぐれたものを狙う。
シマウマがひとかたまりの群れとなった時、
あの縞模様の影響で一体一体の識別が困難となる。
つまり、肉食動物が弱い個体に狙いを付けにくくなるのだ。
また、多くの哺乳類の目は人間ほど色の識別ができないという。
白と黒のコントラストが目を引くシマウマだが、
色の識別能力の低い動物からしてみれば、
草むらの陰翳と見分けがつかないというのだ。
ところで、ダズル迷彩というものを聞いたことはあるだろうか。
世界大戦の頃に流行した軍艦の塗装のことであり、
幻惑迷彩とも呼ばれるものだ。
ノーマン・ウィルキンソンという画家が考案した
縞模様の塗装方法なのだが、船の形、大きさ、
進行方向、速度の計測が難しくなるという。
エドワード・ワズワースの作である
リバプールのダズル艦という絵画に、
ダズル迷彩が施された軍艦が描かれている。
あの絵を見ればその効果が良くわかるだろう。
ただし、実戦においては大した効果は無かったらしい。
もっとも、その特異な見た目は民衆を沸き立たせ、
士気を高揚するという効果が得られたようだ。
話をシマウマに戻そう。
つまりは、シマウマの体の模様にはダズル迷彩のように、
体の大きさや移動方向を幻惑する効果があるのだと思われる。
街で見掛けるゼブラ柄の服を身に付けた女性も、
もしかするとその体型を幻惑させているのかもしれない。
2018年3月12日月曜日
ヒトコブラクダ
背中に大きなコブがあることで知られている大型の哺乳類である。
サハラの生き物であり、
エジプトの非常に古い王朝時代から家畜として利用されている。
家畜化されてからの歴史が長い動物だが、
実は野生のヒトコブラクダは一度絶滅している。
乱獲の結果サハラから駱駝はいなくなり、
飼育されている家畜の個体のみが残ったのだ。
その後、飼育個体の脱走により、野良駱駝が繁殖、
野生に還って生息している。
なお、どういうわけかオーストラリアには
野生の駱駝が数多く生息している。
その数はなんと鳥取の人口ほどもいるという。
よく似た生物であるフタコブラクダとは非常に近縁で、
繁殖も可能なようだ。
産まれてくる子駱駝のコブは一つだが、
毛の長さはフタコブラクダのように長い。
ただし、生殖能力は無い。
南アメリカの生き物、リャマとの雑種も確認されており、
キャマと呼ばれているが、やはり生殖能力は無い。
さて、駱駝のコブの話をしよう。
駱駝は砂漠に適した生き物であるが、
あのコブに水分を蓄えていると誤解している者が多い。
コブに蓄えているのは脂肪であり、
水分の貯蔵場所は血液なのだ。
普通の生き物であれば、血液中の水分が増えすぎると、
浸透圧の関係で赤血球が破裂し、命に関わる事態となる。
しかし、駱駝の赤血球は多量の水分を湛えても壊れない。
これにより、多くの水を体に蓄えることができ、
水場の乏しい砂漠を生き抜くことができる。
なお、サラセン人はよく駱駝肉を食べる。
私も食べたことがあるが、豚肉によく似ていた。
サラセン人は宗教の戒律により豚肉を食べないが、
もし味を聞かれたら駱駝に似ていると言えば納得するだろう。
サハラの生き物であり、
エジプトの非常に古い王朝時代から家畜として利用されている。
家畜化されてからの歴史が長い動物だが、
実は野生のヒトコブラクダは一度絶滅している。
乱獲の結果サハラから駱駝はいなくなり、
飼育されている家畜の個体のみが残ったのだ。
その後、飼育個体の脱走により、野良駱駝が繁殖、
野生に還って生息している。
なお、どういうわけかオーストラリアには
野生の駱駝が数多く生息している。
その数はなんと鳥取の人口ほどもいるという。
よく似た生物であるフタコブラクダとは非常に近縁で、
繁殖も可能なようだ。
産まれてくる子駱駝のコブは一つだが、
毛の長さはフタコブラクダのように長い。
ただし、生殖能力は無い。
南アメリカの生き物、リャマとの雑種も確認されており、
キャマと呼ばれているが、やはり生殖能力は無い。
さて、駱駝のコブの話をしよう。
駱駝は砂漠に適した生き物であるが、
あのコブに水分を蓄えていると誤解している者が多い。
コブに蓄えているのは脂肪であり、
水分の貯蔵場所は血液なのだ。
普通の生き物であれば、血液中の水分が増えすぎると、
浸透圧の関係で赤血球が破裂し、命に関わる事態となる。
しかし、駱駝の赤血球は多量の水分を湛えても壊れない。
これにより、多くの水を体に蓄えることができ、
水場の乏しい砂漠を生き抜くことができる。
なお、サラセン人はよく駱駝肉を食べる。
私も食べたことがあるが、豚肉によく似ていた。
サラセン人は宗教の戒律により豚肉を食べないが、
もし味を聞かれたら駱駝に似ていると言えば納得するだろう。
2018年3月11日日曜日
オークモス
樫の木に付くとされる苔である。
実際には様々な木に付く。
木に付く苔といえば地上に近い高さの樹皮に付く印象だが、
このオークモスは樹上の枝に多く、
ふさふさとした毛のように成長する。
色は明るい緑灰色で、時には白っぽい。
苔らしい色である。
この苔は昔から香料として利用されており、
大地の香りとも言うべき土っぽい匂いが特徴的だ。
その芳香は強いため、他の香料と
ブレンドして使われることが多い。
リラックス効果の高い安心する香りなのだが、
古来より媚薬の材料として知られている。
はっきり言うが媚薬効果は無い。
もちろんリラックスすることによって
良い雰囲気になる可能性はあるのだが、
香りを嗅げばたちまち発情するなどというのは幻想である。
だが、現代の広告ですら媚薬と書いているものがある辺りに、
人の欲望の渦巻きを感じざるを得ない。
実際には様々な木に付く。
木に付く苔といえば地上に近い高さの樹皮に付く印象だが、
このオークモスは樹上の枝に多く、
ふさふさとした毛のように成長する。
色は明るい緑灰色で、時には白っぽい。
苔らしい色である。
この苔は昔から香料として利用されており、
大地の香りとも言うべき土っぽい匂いが特徴的だ。
その芳香は強いため、他の香料と
ブレンドして使われることが多い。
リラックス効果の高い安心する香りなのだが、
古来より媚薬の材料として知られている。
はっきり言うが媚薬効果は無い。
もちろんリラックスすることによって
良い雰囲気になる可能性はあるのだが、
香りを嗅げばたちまち発情するなどというのは幻想である。
だが、現代の広告ですら媚薬と書いているものがある辺りに、
人の欲望の渦巻きを感じざるを得ない。
2018年3月10日土曜日
ベルガモット
一部が少し膨れ上がった蜜柑のような柑橘類である。
甘酸っぱい果実だと思って口にした者は後悔するだろう。
この実はとにかく苦いのだ。
その風味を活かして紅茶の香り付けに使われる。
アールグレイティーの名を一度は聞いたことがあるだろう。
クリストバル・コロンがカナリアスから持ち帰ったという説があるが、
原産地はよくわからない。
名前の由来はイタリアの地名ベルガモであるとも、
イスパニアのベルガであるとも言われている。
シソの仲間に同名のベルガモットと呼ばれる草がある。
なぜそんな紛らわしいことになっているのかは分からないが、
香りはよく似ている。
香料としてのベルガモットは、
気分を高揚させ、沈んだ気持ちを持ち上げると共に、
高ぶった神経を鎮静させる効果を持ち合わせる。
つまり、焦燥感や不眠に効果的だ。
また、内臓の働きを良くする効能も期待でき、
食欲不振や便秘の際にも利用するのがいいだろう。
コートジボワールでよく生産されている。
甘酸っぱい果実だと思って口にした者は後悔するだろう。
この実はとにかく苦いのだ。
その風味を活かして紅茶の香り付けに使われる。
アールグレイティーの名を一度は聞いたことがあるだろう。
クリストバル・コロンがカナリアスから持ち帰ったという説があるが、
原産地はよくわからない。
名前の由来はイタリアの地名ベルガモであるとも、
イスパニアのベルガであるとも言われている。
シソの仲間に同名のベルガモットと呼ばれる草がある。
なぜそんな紛らわしいことになっているのかは分からないが、
香りはよく似ている。
香料としてのベルガモットは、
気分を高揚させ、沈んだ気持ちを持ち上げると共に、
高ぶった神経を鎮静させる効果を持ち合わせる。
つまり、焦燥感や不眠に効果的だ。
また、内臓の働きを良くする効能も期待でき、
食欲不振や便秘の際にも利用するのがいいだろう。
コートジボワールでよく生産されている。
2018年3月9日金曜日
ドゥクラングール
尾長猿の仲間である。
猿はユーラシアやアフリカに生息する旧世界猿と
アメリカやオーストラリアに生息する新世界猿に分類できるのだが、
旧世界猿は顔つきが人間のように表情を感じられる。
このドゥクという痩せ猿(ラングール)は
インドシナに生息している旧世界猿である。
熱帯地域に好んで住まう猿であり、
木の実を中心とした草食性のようだ。
赤脛猿とも呼ばれ、足が赤く、
「世界一美しい猿」と呼ぶ者もいる。
美しい動物は観賞用に乱獲されるのが常である。
この猿も密猟によって数を減らしていると聞く。
だが、この猿が絶滅の危機に晒されている最大の理由は、
かつてのベトナム戦争にある。
密林に潜むゲリラを発見するために撒かれた枯葉剤が
この猿の住居を奪い、死へと追いやったのだ。
一部の動物園において種の保護の観点から飼育されている。
本邦でも見られるので気になったならば調べてみるといいだろう。
猿はユーラシアやアフリカに生息する旧世界猿と
アメリカやオーストラリアに生息する新世界猿に分類できるのだが、
旧世界猿は顔つきが人間のように表情を感じられる。
このドゥクという痩せ猿(ラングール)は
インドシナに生息している旧世界猿である。
熱帯地域に好んで住まう猿であり、
木の実を中心とした草食性のようだ。
赤脛猿とも呼ばれ、足が赤く、
「世界一美しい猿」と呼ぶ者もいる。
美しい動物は観賞用に乱獲されるのが常である。
この猿も密猟によって数を減らしていると聞く。
だが、この猿が絶滅の危機に晒されている最大の理由は、
かつてのベトナム戦争にある。
密林に潜むゲリラを発見するために撒かれた枯葉剤が
この猿の住居を奪い、死へと追いやったのだ。
一部の動物園において種の保護の観点から飼育されている。
本邦でも見られるので気になったならば調べてみるといいだろう。
2018年3月8日木曜日
レモングラス
見た目はただの草である。
何も知らずに見たらただの草むらだと思うだろう。
だが、注意深く見てみると、他の植物と比べて、
周囲に虫がいないことに気付けるかもしれない。
この草に含まれる成分シトラールを虫が嫌うためだ。
除虫剤にもレモングラスが使われている例がある。
香草としての利用法は以前記したレモンバーム
及びレモンマートルと変わらない。
強いて挙げるならタイでは料理によく使うという点だろう。
ヒンドゥーの医学聖典アーユルヴェーダでは、
伝染病と発熱に効果があり、鎮静剤、殺虫剤
として使える薬草として紹介されている。
また、腹痛や下痢の緩和、水虫の治療薬としても使え、
消化促進や脂肪の分解効果まであるのだ。
油分の多い料理を食べた後には、
レモングラスを使ったハーブティーを飲むのが良いだろう。
何も知らずに見たらただの草むらだと思うだろう。
だが、注意深く見てみると、他の植物と比べて、
周囲に虫がいないことに気付けるかもしれない。
この草に含まれる成分シトラールを虫が嫌うためだ。
除虫剤にもレモングラスが使われている例がある。
香草としての利用法は以前記したレモンバーム
及びレモンマートルと変わらない。
強いて挙げるならタイでは料理によく使うという点だろう。
ヒンドゥーの医学聖典アーユルヴェーダでは、
伝染病と発熱に効果があり、鎮静剤、殺虫剤
として使える薬草として紹介されている。
また、腹痛や下痢の緩和、水虫の治療薬としても使え、
消化促進や脂肪の分解効果まであるのだ。
油分の多い料理を食べた後には、
レモングラスを使ったハーブティーを飲むのが良いだろう。
2018年3月7日水曜日
青苧
青苧とは本邦のカラムシのことである。
あおそと読む。
苧麻(ちょま)や山紵(やまお)とも言う。
カツホウ、シラノ、シロソ、ソロハ、シロホ、
ヒウジ、コロモグサ、カラソ、クサマオと呼ぶ場合もある。
カラムシは麻のように繊維を利用できる植物だが、
植物種としては麻とは異なる。
葉の大きさは手の平より一回り大きく、
表は緑だが裏は綿毛によって白い。
花粉は風に乗って飛ぶのだが、時に花粉症の原因ともなる。
根絶の難しい雑草であるため、この点は深刻だ。
しかし、古来その繊維は重宝されてきた。
漁網に使えるほどの丈夫さを持ち、
手を掛けずとも旺盛に繁殖する。
持統帝が民に栽培を奨励したという記録も残されており、
特に越後が産地として知られている。
上杉謙信の財政基盤の一つに、この青苧の輸出があったという。
現在では雑草として扱われているが、
一部地域では伝統衣装の材料として栽培されている。
越後上布と呼ばれるその布は通気性が良く、
さらりとした風合いが蒸し暑い夏に向いているだろう。
ただし、伝統的な手法で作られた越後上布の着物は
高価であるとだけ述べておきたい。
あおそと読む。
苧麻(ちょま)や山紵(やまお)とも言う。
カツホウ、シラノ、シロソ、ソロハ、シロホ、
ヒウジ、コロモグサ、カラソ、クサマオと呼ぶ場合もある。
カラムシは麻のように繊維を利用できる植物だが、
植物種としては麻とは異なる。
葉の大きさは手の平より一回り大きく、
表は緑だが裏は綿毛によって白い。
花粉は風に乗って飛ぶのだが、時に花粉症の原因ともなる。
根絶の難しい雑草であるため、この点は深刻だ。
しかし、古来その繊維は重宝されてきた。
漁網に使えるほどの丈夫さを持ち、
手を掛けずとも旺盛に繁殖する。
持統帝が民に栽培を奨励したという記録も残されており、
特に越後が産地として知られている。
上杉謙信の財政基盤の一つに、この青苧の輸出があったという。
現在では雑草として扱われているが、
一部地域では伝統衣装の材料として栽培されている。
越後上布と呼ばれるその布は通気性が良く、
さらりとした風合いが蒸し暑い夏に向いているだろう。
ただし、伝統的な手法で作られた越後上布の着物は
高価であるとだけ述べておきたい。
2018年3月6日火曜日
カエンタケ
カエンタケとは最も恐ろしい部類の毒キノコである。
燃えるキノコとも称されるその見た目は、
赤珊瑚のような美しさがあり、
また、燃え立つ炎のようでもある。
しかし、決して触ってはいけない。
触れた箇所がたちまち激痛に襲われるだろう。
手袋や棒で触るのも危ない。
脆く崩れやすく、汁気が多いため、
毒汁が飛び散る恐れがある。
当然、食べるなどもってのほかである。
まず間違いなく死に至る。
具体的には以下のような地獄の苦しみを味わうだろう。
まず腹痛と嘔吐と下痢に襲われる。
続いて眩暈と手足の痺れが起こり、
呼吸が困難となり呂律が回らなくなる。
血液が破壊され、皮膚はただれ、
肝臓と腎臓と肺が冒され、そして死ぬ。
運よく死を免れたとしても、
脳が委縮し、毛は抜け落ちて、皮膚はぼろぼろになる。
更には精神や身体にその他の後遺症が残るだろう。
大切なことなのでもう一度言おう。
決して食べてはいけない。
ある旅館において、山で採れたキノコを飾っていたという。
酒に酔った客がキノコ酒と称してその中の一つを酒に浸した。
よりにもよってそれはカエンタケであった。
客は死んだ。
つまり、たとえ毒があることを理解した上で、
鑑賞や蒐集用に持ち帰ったとしても、
何らかの事故が起こる可能性があるのだ。
なお、ベニナギナタタケと呼ばれるよく似たキノコがある。
こちらは食味が良く、美味だと評判だ。
だが、カエンタケと見分けるのが困難なため、
このキノコを賞味するのは避けるのが賢明だ。
燃えるキノコとも称されるその見た目は、
赤珊瑚のような美しさがあり、
また、燃え立つ炎のようでもある。
しかし、決して触ってはいけない。
触れた箇所がたちまち激痛に襲われるだろう。
手袋や棒で触るのも危ない。
脆く崩れやすく、汁気が多いため、
毒汁が飛び散る恐れがある。
当然、食べるなどもってのほかである。
まず間違いなく死に至る。
具体的には以下のような地獄の苦しみを味わうだろう。
まず腹痛と嘔吐と下痢に襲われる。
続いて眩暈と手足の痺れが起こり、
呼吸が困難となり呂律が回らなくなる。
血液が破壊され、皮膚はただれ、
肝臓と腎臓と肺が冒され、そして死ぬ。
運よく死を免れたとしても、
脳が委縮し、毛は抜け落ちて、皮膚はぼろぼろになる。
更には精神や身体にその他の後遺症が残るだろう。
大切なことなのでもう一度言おう。
決して食べてはいけない。
ある旅館において、山で採れたキノコを飾っていたという。
酒に酔った客がキノコ酒と称してその中の一つを酒に浸した。
よりにもよってそれはカエンタケであった。
客は死んだ。
つまり、たとえ毒があることを理解した上で、
鑑賞や蒐集用に持ち帰ったとしても、
何らかの事故が起こる可能性があるのだ。
なお、ベニナギナタタケと呼ばれるよく似たキノコがある。
こちらは食味が良く、美味だと評判だ。
だが、カエンタケと見分けるのが困難なため、
このキノコを賞味するのは避けるのが賢明だ。
2018年3月5日月曜日
レモンマートル
レモンマートルとはオーストラリア北東部に自生する植物である。
桃の仲間であるが、やぶれた葉からレモンの香りがする。
ヨーロッパ人の植物学者によってマートルの一種に分類された。
マートルとは銀梅花のことである。
レモンとは無関係な種類であるが、
レモンと同じシトラールと呼ばれる成分を持つ。
レモングラスやレモンバームも同様である。
レモン、レモングラス、レモンバーム、レモンマートルと
レモンの香りがする植物は多いが、
レモンマートルのシトラール含有量はレモンの数十倍であり、
レモングラスよりも多いという。
つまり、レモンよりレモンらしい香りがするのである。
さて、このレモンマートルだが、抗菌作用があり、
風邪や水イボの治療に用いることができるという。
だが、若干の毒性があるとも言われている。
アボリジニはこの葉を薬草とするだけではなく、料理にも用いてきた。
葉を乾燥させた後に砕くことで強いレモン香を放つ香辛料となるのだ。
酸味は無いため、レモン果汁を使った場合と異なり、
味の変質を恐れずに様々な料理へと利用可能だ。
だが、新芽には甘みがあるらしい。
香りが良いためハーブティーにも多く利用される。
興奮を抑え、気持ちを落ち着ける効果が期待できるという。
香料としては、眠気を覚ますためにも有効だと言われているため、
頭をすっきりさせたい時には利用してみると良いだろう。
桃の仲間であるが、やぶれた葉からレモンの香りがする。
ヨーロッパ人の植物学者によってマートルの一種に分類された。
マートルとは銀梅花のことである。
レモンとは無関係な種類であるが、
レモンと同じシトラールと呼ばれる成分を持つ。
レモングラスやレモンバームも同様である。
レモン、レモングラス、レモンバーム、レモンマートルと
レモンの香りがする植物は多いが、
レモンマートルのシトラール含有量はレモンの数十倍であり、
レモングラスよりも多いという。
つまり、レモンよりレモンらしい香りがするのである。
さて、このレモンマートルだが、抗菌作用があり、
風邪や水イボの治療に用いることができるという。
だが、若干の毒性があるとも言われている。
アボリジニはこの葉を薬草とするだけではなく、料理にも用いてきた。
葉を乾燥させた後に砕くことで強いレモン香を放つ香辛料となるのだ。
酸味は無いため、レモン果汁を使った場合と異なり、
味の変質を恐れずに様々な料理へと利用可能だ。
だが、新芽には甘みがあるらしい。
香りが良いためハーブティーにも多く利用される。
興奮を抑え、気持ちを落ち着ける効果が期待できるという。
香料としては、眠気を覚ますためにも有効だと言われているため、
頭をすっきりさせたい時には利用してみると良いだろう。
2018年3月4日日曜日
臙脂虫
クリムゾンやカーマインと呼ばれる赤色染料の
元となるカイガラムシのことである。
具体的にはケルメス、コチニール、ラックの三種を指す。
雌のカイガラムシを収集して乾燥させ、
熱水やアルコールで色素を抽出するのだが、
米粒程度の小さな虫一匹から得られる量はわずかなため、
古い時代には大変高価なものだった。
雌だけを集めると聞くと難しいように思えるが、
植物に付いているのはすべて雌である。
雄には羽があるため容易に判別可能なのだ。
ケルメスは主に地中海沿岸で見ることのできる種で、
ローマ帝国時代には税として徴収された例もある。
この虫の生み出す鮮やかな赤は富や権力の象徴として、
長く高級毛織物を染めてきた。
特にルネサンス期には需要が増し、
非常な高値が付いたという。
コチニールは南アメリカ大陸でサボテンに寄生する種である。
アステカやインカで染料として養殖されていた。
イスパニア人はこの虫がケルメスと同じく
赤色染料を生み出すものだと知ると、
その出所を明らかにしないままヨーロッパへ持ち帰った。
ケルメスより安く大量に手に入るコチニールの染料は、
そうとは知られぬまま高値で取引されたのだ。
ラックはインドや東南アジアに生息する種で、
この虫から採った染料がチャイナで臙脂と呼ばれた。
別名を紫鉱とも言う。
カイガラムシはカメムシの仲間である。
どちらも植物に針のような口を突き刺し汁を吸って生きている。
カメムシは農作物を荒らす害虫として忌み嫌われている一方で、
カイガラムシのいくつかの種は染料だけではなく
ワックスを得る目的で養殖までされている。
ただし、すべてのカイガラムシが有益なわけではない。
元となるカイガラムシのことである。
具体的にはケルメス、コチニール、ラックの三種を指す。
雌のカイガラムシを収集して乾燥させ、
熱水やアルコールで色素を抽出するのだが、
米粒程度の小さな虫一匹から得られる量はわずかなため、
古い時代には大変高価なものだった。
雌だけを集めると聞くと難しいように思えるが、
植物に付いているのはすべて雌である。
雄には羽があるため容易に判別可能なのだ。
ケルメスは主に地中海沿岸で見ることのできる種で、
ローマ帝国時代には税として徴収された例もある。
この虫の生み出す鮮やかな赤は富や権力の象徴として、
長く高級毛織物を染めてきた。
特にルネサンス期には需要が増し、
非常な高値が付いたという。
コチニールは南アメリカ大陸でサボテンに寄生する種である。
アステカやインカで染料として養殖されていた。
イスパニア人はこの虫がケルメスと同じく
赤色染料を生み出すものだと知ると、
その出所を明らかにしないままヨーロッパへ持ち帰った。
ケルメスより安く大量に手に入るコチニールの染料は、
そうとは知られぬまま高値で取引されたのだ。
ラックはインドや東南アジアに生息する種で、
この虫から採った染料がチャイナで臙脂と呼ばれた。
別名を紫鉱とも言う。
カイガラムシはカメムシの仲間である。
どちらも植物に針のような口を突き刺し汁を吸って生きている。
カメムシは農作物を荒らす害虫として忌み嫌われている一方で、
カイガラムシのいくつかの種は染料だけではなく
ワックスを得る目的で養殖までされている。
ただし、すべてのカイガラムシが有益なわけではない。
2018年3月3日土曜日
ピパピパ
アマゾンで見られる轢き潰されたようなカエルである。
この地上に奇想天外な生き物は数知れないが、
その中でも屈指のものだ。
褐色の扁平な体を持ち、頭は三角形をしている。
目は極めて小さく、舌に至っては存在しない。
四肢は常に大きく広げられており、
本当に何者かに押し潰されたのではないかと思えるほどだ。
大きさは手の平に乗る程度で、
厚みは手の平よりも薄い。
陸に上がることは滅多に無く、
水面に頭を向けて水の中を垂直に漂っているという。
天敵の目を欺くため枯れ葉に擬しているに違いない。
前足の指先には感覚の鋭敏な器官があり、
餌となる虫や小魚の接近を感じ取ると、
口を開いて水ごと吸い込み手でかき込む。
不思議な生物である。
ここまでに述べただけでも驚くべきものだが、
最大の特徴は他にある。
なんと背中から子を産むのだ。
産卵後、雄は雌の背中に沢山の卵を押し付ける。
この時期、雌の背中はスポンジのように柔らかくなり、
無数の細かい穴が生じてそこに卵が嵌まっていくのだという。
卵は母親の背中で成長していくのである。
子は泳げる姿になっても卵の中に留まり、
カエルの姿に変化してからようやく産まれてくる。
こうした特徴から子守蛙とも呼ばれている。
この地上に奇想天外な生き物は数知れないが、
その中でも屈指のものだ。
褐色の扁平な体を持ち、頭は三角形をしている。
目は極めて小さく、舌に至っては存在しない。
四肢は常に大きく広げられており、
本当に何者かに押し潰されたのではないかと思えるほどだ。
大きさは手の平に乗る程度で、
厚みは手の平よりも薄い。
陸に上がることは滅多に無く、
水面に頭を向けて水の中を垂直に漂っているという。
天敵の目を欺くため枯れ葉に擬しているに違いない。
前足の指先には感覚の鋭敏な器官があり、
餌となる虫や小魚の接近を感じ取ると、
口を開いて水ごと吸い込み手でかき込む。
不思議な生物である。
ここまでに述べただけでも驚くべきものだが、
最大の特徴は他にある。
なんと背中から子を産むのだ。
産卵後、雄は雌の背中に沢山の卵を押し付ける。
この時期、雌の背中はスポンジのように柔らかくなり、
無数の細かい穴が生じてそこに卵が嵌まっていくのだという。
卵は母親の背中で成長していくのである。
子は泳げる姿になっても卵の中に留まり、
カエルの姿に変化してからようやく産まれてくる。
こうした特徴から子守蛙とも呼ばれている。
2018年3月2日金曜日
ユーカリ
ユーカリはオーストラリアの珍奇な動物
コアラが主食とする植物として知られている。
我々はユーカリと呼んでいるが、
正しくはユーカリプタスである。
外来語を省略したがるのは本邦人の癖であろう。
ギリシア語で「強く覆われたもの」と名付けられた
この植物は実は薬草として有用なのだ。
具体的には殺菌作用、抗炎症作用、鎮痛作用、鎮静作用があり、
気道カタル、リウマチ、分泌腺機能亢進、
ゼグレート、痙攣と様々な病に効き目がある。
また、殺菌作用が強いため防腐剤としても有用である。
これだけ様々な薬効を持ちながら、製油が容易であり、
少ない費用で量産可能なのだ。
だがユーカリの持つ力はこれだけではない。
乾燥地でもよく育つ性質を生かし、
砂漠化地域の緑化にも使われているのだ。
なんと有益な植物だろうか。
面白いことに、このユーカリという植物は、
自然環境下では山火事の後にのみ発芽するという。
それだけではない、自ら山火事の火を引き寄せるというのだ。
これは伝説や迷信ではない。
葉から放出される気化した油分は引火性を持っており、
かつ樹皮が非常に燃えやすく剥がれやすい。
つまり、自身の幹は守りつつ、
火災の範囲を広げるようにできているのだ。
周囲の植物を焼き払い、
土壌の養分が増加したところで種子は発芽する。
まったく驚くべき生態である。
コアラが主食とする植物として知られている。
我々はユーカリと呼んでいるが、
正しくはユーカリプタスである。
外来語を省略したがるのは本邦人の癖であろう。
ギリシア語で「強く覆われたもの」と名付けられた
この植物は実は薬草として有用なのだ。
具体的には殺菌作用、抗炎症作用、鎮痛作用、鎮静作用があり、
気道カタル、リウマチ、分泌腺機能亢進、
ゼグレート、痙攣と様々な病に効き目がある。
また、殺菌作用が強いため防腐剤としても有用である。
これだけ様々な薬効を持ちながら、製油が容易であり、
少ない費用で量産可能なのだ。
だがユーカリの持つ力はこれだけではない。
乾燥地でもよく育つ性質を生かし、
砂漠化地域の緑化にも使われているのだ。
なんと有益な植物だろうか。
面白いことに、このユーカリという植物は、
自然環境下では山火事の後にのみ発芽するという。
それだけではない、自ら山火事の火を引き寄せるというのだ。
これは伝説や迷信ではない。
葉から放出される気化した油分は引火性を持っており、
かつ樹皮が非常に燃えやすく剥がれやすい。
つまり、自身の幹は守りつつ、
火災の範囲を広げるようにできているのだ。
周囲の植物を焼き払い、
土壌の養分が増加したところで種子は発芽する。
まったく驚くべき生態である。
2018年3月1日木曜日
アセンション島
南大西洋はアフリカ大陸と南アメリカ大陸の間、
ギニアビサウの南方、ブランコ岬の東方に、
アセンションと名付けられた島がある。
アセンションとはキリスト教徒の言うところの
復活した救世主が天へ昇った事象を指す言葉だ。
インドへの航路を求めてポルトガルより旅立った
アルフォンソ・デ・アルブケルケの艦隊が
キリスト昇天祭に島に至り名付けたことに由来する。
農地にするには土壌が少なく、
貿易港とするには位置の悪かったこの島を
ポルトガル人は無益な地と判断し放置した。
時は流れナポレオン・ボナパルトがセントヘレナ島への
流刑に処せられた後、彼を救出しようとする者たちを
警戒したイングランド軍はこの島に艦隊を配置したという。
その時に島に付けられたあだ名が
世に言う「石でできた軍艦」である。
以来イングランド軍は補給港として利用していたようだが、
大規模な施設は無くこじんまりとしたものであった。
その後世界大戦の戦間期に電波塔が設けられ、
今では海底ケーブルの中継地となっており、
現在も軍用基地として活用されている。
かのフォークランド戦争においては、
この島の基地より爆撃機が飛び立ったという。
なお、セントヘレナ島、トリスタンダクーニャ諸島と共に
グレートブリテンの属領であり、
首府はジョージタウンに置かれているが、
実質的にこの島を管轄しているのは民間の通信業者である。
ギニアビサウの南方、ブランコ岬の東方に、
アセンションと名付けられた島がある。
アセンションとはキリスト教徒の言うところの
復活した救世主が天へ昇った事象を指す言葉だ。
インドへの航路を求めてポルトガルより旅立った
アルフォンソ・デ・アルブケルケの艦隊が
キリスト昇天祭に島に至り名付けたことに由来する。
農地にするには土壌が少なく、
貿易港とするには位置の悪かったこの島を
ポルトガル人は無益な地と判断し放置した。
時は流れナポレオン・ボナパルトがセントヘレナ島への
流刑に処せられた後、彼を救出しようとする者たちを
警戒したイングランド軍はこの島に艦隊を配置したという。
その時に島に付けられたあだ名が
世に言う「石でできた軍艦」である。
以来イングランド軍は補給港として利用していたようだが、
大規模な施設は無くこじんまりとしたものであった。
その後世界大戦の戦間期に電波塔が設けられ、
今では海底ケーブルの中継地となっており、
現在も軍用基地として活用されている。
かのフォークランド戦争においては、
この島の基地より爆撃機が飛び立ったという。
なお、セントヘレナ島、トリスタンダクーニャ諸島と共に
グレートブリテンの属領であり、
首府はジョージタウンに置かれているが、
実質的にこの島を管轄しているのは民間の通信業者である。
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