牛の仲間は牛とバイソンと二種類の水牛に分けられる。
水牛のことをバッファローと呼ぶが、
バイソンのことをバッファローと呼ぶことも多い。
誤用が定着したものである。
牛と水牛の大きな違いは、角の大きさである。
非常に発達した角は時に凶器となる。
アフリカの水牛とアジアの水牛の差も角にあり、
アフリカ種は頭部を覆うような広がった角が特徴的だ。
また、水牛はその名の通り川や沼などの水辺を好む。
水牛の乳は牛の乳と比べて脂肪分が多く、
モッツァレラチーズの原料として有名だ。
癖が無く、独特の弾力を持つこのチーズは、
ピッツァやパスタなどに用いられ、
主にイタリア料理で好んで使われる。
食用という点に関しては、インドでの扱いが興味深い。
知っての通り、インドではヒンドゥー教の影響で
牛肉を食べることは極めて稀である。
しかし、水牛肉を食べることは禁忌ではない。
冥界の神ヤマの乗り物は水牛とされているが、
これは水が冥界へと繋がっているため、
水の中に入っていく水牛が適していると考えられたからだろう。
また、マヒシャースラという魔神が神々を脅かした際、
魔神は次々と姿を変えて戦ったのだが、
討ち取られた際の姿が水牛であった。
こうした背景により、水牛は神聖な存在とは見做されず、
殺して食べても良い生き物とされたのだと思われる。
ただし、その肉は硬く、よく煮込まなければ
美味しく食べることはできない。
だが、そもそも水牛は非常に有益な家畜である。
水を厭わない性質から水田での作業に向いており、
労働家畜として重宝されてきたのだ。
そうした家畜を食べる場面というのは、
やはり老いて死に至るものを供していたのだろう。
つまり、ただでさえ硬い肉を
コンディションの悪い状態で食べていたのだ。
もっとも、それは水牛だけでなく
牛や他の家畜にも言えることだろう。