鼻に角を持つ者という意味合いの名の
鎧をまとったが如き大きな体を持つ動物である。
生息地はアフリカから東南アジアまでと意外と広く、
インドサイ、ジャワサイ、スマトラサイなどがいる。
本邦では古くより知られていたが、
その角で毒を浄化する霊獣、
つまり想像上の動物として扱われていた。
昔の絵を見ると、ジャッカルのような動物の
頭の中心から一本の角が生えている。
実際のサイは角が二本縦に並んでいたりもする。
アルブレヒト・デューラーのサイと比べるのは酷だが、
もう少しどうにかならなかったものだろうか。
なお、一本角を持ち解毒能力がある動物と言えば、
東洋の犀に対して西洋のユニコーンが思い出される。
もしかするとどちらも想像の源泉は同じサイなのかもしれない。
毒のある水でも角を浸した後は他の動物も
飲むことができるようになるという伝説なのだが、
一本角に対する信仰とも言うべき伝承は様々だ。
良いイメージのものが圧倒的に多いのが興味深い。
さて、そんなサイの角だが、あれは骨ではない。
髪の毛や爪に近い形質であり、
折れてもまた生えてくるという。
前述のとおりサイの角には解毒効果があると
広く信じられてきたため、
大昔よりその採取が試みられてきた。
角だけを切り取ればいい話なのだが、
サイはとても危険な動物である。
キリンほどではなく短距離専門だがかなりの速度で走る。
よって、密猟者は距離を取ってサイを殺し、
その角を手に入れることになる。
絶滅が危惧されているのはこうした密猟によるものなのだ。
なお、犀角の薬効は麻疹を治療するものとされているが、
そんな効果はない。