アフリカに生息する鹿のような生き物だが、
実は牛の仲間である。
羚羊やアンテロープとも呼ばれ、
こうした呼び方をする場合、より広い定義となる。
牛の仲間の中で鹿に似た連中が
羚羊だと思っておいてもそう間違いはないだろう。
さて、アフリカ全土にいるような気になっている
インパラだが、実際には南東地域にのみ生息している。
一般的な草食動物らしい生き物であり、
跳躍力が高いことと、特徴的な角を持つこと以外は、
特筆すべき点はあまりない。
よって、角の話をしよう。
繁殖期になるとインパラの雄たちは
押し相撲をして優劣を競い合う。
その際に互いの角をがっちりと組み合わせ、
壮絶な力比べを繰り広げる。
言い忘れたが角があるのは
他の多くの動物と同様に雄だけである。
敗れた雄たちは群れを追い出され、
最も強いものだけが残り、雌を独占するという。
追い出された雄たちは雄だけの群れを作って過ごすのだが、
雌を率いる王者に隙があればいつでも挑戦し、
その地位を奪うことができる。
一度頂点に立ったとしても、
常に気を抜くことはできないのだ。
ところで、羚羊の角は魔術の素材として重宝されてきた。
現代においても呪術医が用いる例があるほどだ。
キリスト教徒が信仰の対象とする十字架の由来には
様々な説があるが、この羚羊の角を二本組み合わせた十字は
新約と旧約、二つの神との契約を表し、
原初キリスト教のシンボルであったという説もある。
それはそうとインパラはライオンに狩られている印象が強い。