序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年3月20日火曜日

インパラ

アフリカに生息する鹿のような生き物だが、
実は牛の仲間である。

羚羊やアンテロープとも呼ばれ、
こうした呼び方をする場合、より広い定義となる。

牛の仲間の中で鹿に似た連中が
羚羊だと思っておいてもそう間違いはないだろう。

さて、アフリカ全土にいるような気になっている
インパラだが、実際には南東地域にのみ生息している。

一般的な草食動物らしい生き物であり、
跳躍力が高いことと、特徴的な角を持つこと以外は、
特筆すべき点はあまりない。

よって、角の話をしよう。

繁殖期になるとインパラの雄たちは
押し相撲をして優劣を競い合う。

その際に互いの角をがっちりと組み合わせ、
壮絶な力比べを繰り広げる。

言い忘れたが角があるのは
他の多くの動物と同様に雄だけである。

敗れた雄たちは群れを追い出され、
最も強いものだけが残り、雌を独占するという。

追い出された雄たちは雄だけの群れを作って過ごすのだが、
雌を率いる王者に隙があればいつでも挑戦し、
その地位を奪うことができる。

一度頂点に立ったとしても、
常に気を抜くことはできないのだ。

ところで、羚羊の角は魔術の素材として重宝されてきた。
現代においても呪術医が用いる例があるほどだ。

キリスト教徒が信仰の対象とする十字架の由来には
様々な説があるが、この羚羊の角を二本組み合わせた十字は
新約と旧約、二つの神との契約を表し、
原初キリスト教のシンボルであったという説もある。

それはそうとインパラはライオンに狩られている印象が強い。