序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年3月7日水曜日

青苧

青苧とは本邦のカラムシのことである。
あおそと読む。

苧麻(ちょま)や山紵(やまお)とも言う。
カツホウ、シラノ、シロソ、ソロハ、シロホ、
ヒウジ、コロモグサ、カラソ、クサマオと呼ぶ場合もある。

カラムシは麻のように繊維を利用できる植物だが、
植物種としては麻とは異なる。

葉の大きさは手の平より一回り大きく、
表は緑だが裏は綿毛によって白い。

花粉は風に乗って飛ぶのだが、時に花粉症の原因ともなる。
根絶の難しい雑草であるため、この点は深刻だ。

しかし、古来その繊維は重宝されてきた。
漁網に使えるほどの丈夫さを持ち、
手を掛けずとも旺盛に繁殖する。

持統帝が民に栽培を奨励したという記録も残されており、
特に越後が産地として知られている。
上杉謙信の財政基盤の一つに、この青苧の輸出があったという。

現在では雑草として扱われているが、
一部地域では伝統衣装の材料として栽培されている。

越後上布と呼ばれるその布は通気性が良く、
さらりとした風合いが蒸し暑い夏に向いているだろう。

ただし、伝統的な手法で作られた越後上布の着物は
高価であるとだけ述べておきたい。