序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年3月27日火曜日

インドリ

インドリはマダガスカルにいる猿である。

顔、耳、肩から背中、腿の表側、手足が黒く、他の部分は白い。
尻尾は非常に短い。

鳴き声が驚くほど大きく、
新宿駅から渋谷駅ほどの距離に届く。

インドリはこの鳴き声によって
群れの縄張りを主張するため、
隣り合う群れ同士が呼び掛け合うように鳴く。

あちらこちらから複数の群れが鳴き交わす様は
まるで森の中のコーラスである。

葉や花、果実などを食べて生きているが、
時折地上に降りて土を食べることがある。

インドリがなぜ土を食べるのかは寡聞にして知らないが、
他の土を食べる哺乳類の例から推測するに、
食べた植物の有毒成分を分解するためだろう。

インドリに槍を投げると正確に投げ返してくる
という伝説があり、マダガスカルの人々は
自分たちの祖先の霊が変じたものだと信じていた。

長い年月、人間から危害を加えられることが無かったためか、
インドリたちは人間への警戒心が低い。

しかし、近年は焼き畑によって住処を奪われ、
その数を減らしていると聞く。