序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年3月2日金曜日

ユーカリ

ユーカリはオーストラリアの珍奇な動物
コアラが主食とする植物として知られている。

我々はユーカリと呼んでいるが、
正しくはユーカリプタスである。
外来語を省略したがるのは本邦人の癖であろう。

ギリシア語で「強く覆われたもの」と名付けられた
この植物は実は薬草として有用なのだ。

具体的には殺菌作用、抗炎症作用、鎮痛作用、鎮静作用があり、
気道カタル、リウマチ、分泌腺機能亢進、
ゼグレート、痙攣と様々な病に効き目がある。

また、殺菌作用が強いため防腐剤としても有用である。

これだけ様々な薬効を持ちながら、製油が容易であり、
少ない費用で量産可能なのだ。

だがユーカリの持つ力はこれだけではない。

乾燥地でもよく育つ性質を生かし、
砂漠化地域の緑化にも使われているのだ。
なんと有益な植物だろうか。

面白いことに、このユーカリという植物は、
自然環境下では山火事の後にのみ発芽するという。

それだけではない、自ら山火事の火を引き寄せるというのだ。
これは伝説や迷信ではない。

葉から放出される気化した油分は引火性を持っており、
かつ樹皮が非常に燃えやすく剥がれやすい。
つまり、自身の幹は守りつつ、
火災の範囲を広げるようにできているのだ。

周囲の植物を焼き払い、
土壌の養分が増加したところで種子は発芽する。
まったく驚くべき生態である。