ユーカリはオーストラリアの珍奇な動物
コアラが主食とする植物として知られている。
我々はユーカリと呼んでいるが、
正しくはユーカリプタスである。
外来語を省略したがるのは本邦人の癖であろう。
ギリシア語で「強く覆われたもの」と名付けられた
この植物は実は薬草として有用なのだ。
具体的には殺菌作用、抗炎症作用、鎮痛作用、鎮静作用があり、
気道カタル、リウマチ、分泌腺機能亢進、
ゼグレート、痙攣と様々な病に効き目がある。
また、殺菌作用が強いため防腐剤としても有用である。
これだけ様々な薬効を持ちながら、製油が容易であり、
少ない費用で量産可能なのだ。
だがユーカリの持つ力はこれだけではない。
乾燥地でもよく育つ性質を生かし、
砂漠化地域の緑化にも使われているのだ。
なんと有益な植物だろうか。
面白いことに、このユーカリという植物は、
自然環境下では山火事の後にのみ発芽するという。
それだけではない、自ら山火事の火を引き寄せるというのだ。
これは伝説や迷信ではない。
葉から放出される気化した油分は引火性を持っており、
かつ樹皮が非常に燃えやすく剥がれやすい。
つまり、自身の幹は守りつつ、
火災の範囲を広げるようにできているのだ。
周囲の植物を焼き払い、
土壌の養分が増加したところで種子は発芽する。
まったく驚くべき生態である。