曲鼻猿の一種で非常に目の大きい猿である。
マダガスカル島に棲むこの猿は、
一見して猿とは思えぬ姿をしており、
古くは大型のリスだと思われていた。
夜行性であり、暗闇の中で目が光を反射して輝く。
中指だけが細長く、アイアイはこの特徴的な指を使い、
木の中の幼虫や木の実の中身を掻き出して食べる。
トントンと木の幹を叩いては音の様子を探り、
幼虫の居場所を発見する様は職人の芸当である。
木の皮を歯でむしり取ると、幼虫の潜む穴に
長い中指をねじ込んでひょいと引っ張り出してしまう。
幼虫を掴んで食べる仕草は猿らしいのだが、
歩き方は猿のそれではない。
中指が邪魔となってうまく歩けないのだ。
マダガスカルの猿たちは現地人の信仰によって
大切にされているものがほとんどだが、
アイアイは悪魔の使いとして恐れられていた。
その姿を見ることは凶兆であり、
実際に農作物を荒らすという被害も生じている。
このため、害獣として駆除されるていることもあり、
生活環境の変化だけが原因ではなく数を減らしている。
本邦では童謡で歌われているため名前だけは知られているが、
漠然と目が大きい猿ということしか伝わっていない。
暗闇を蠢く中指だけが異様に長い
目の大きな生き物に出会ったら、
可愛らしい雰囲気で歌われているアイアイだとは気付かず、
恐怖を感じるかもしれない。