序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年3月17日土曜日

カバ

私が子供の頃、動物園でカバを見た。

そのカバは尻尾を回転させながらフンを出し、
それを撒き散らしていた。
まるでスプリンクラーのようだった。

さて、河馬の名は西洋でも川の馬として知られている。

馬というより豚のような体つきに思えるが、
実際には鯨に近い動物らしい。
鯨は牛の仲間から派生した動物である。

馬でも豚でもなく牛であった。

草食動物であるが、非常に獰猛なことで知られ、
強靭な体躯をも併せ持つため大変危険である。

サイと並んでゾウに次ぐ体格の持ち主だが、
自動車並の速度で走るうえに、アゴの力が強力である。

ワニに噛みついて引き裂いたという話もあり、
恐怖を禁じ得ない。

実際に、不用意に近付いて襲われ死亡した人間も多く、
現地人が最も恐れる野生動物だという。

フンを飛ばして縄張りに臭いを付ける習性があり、
その縄張り内に入った者を敵と認識する。
私が子供の頃に見た行動にはそんな意味があったのだ。

また、カバはその名の通り水の中を好む。
皮膚は乾燥に弱く、基本的に水中にいる。

ただし泳ぐのは苦手で水底を歩く。

陸上で行動する際には皮膚から特殊な粘液を分泌するのだが、
この粘液は赤い汗とも呼ばれている。

なお、人間や馬のかく汗とはまったくの別物である。
皮膚を乾燥から守だけではなく、紫外線をカットし、
殺菌効果まで持つという。

水中生活に適応するため、カバの目と耳は上部に突き出ている。
水に潜ったまま周囲を窺うことができるのだが、
こうした特徴はワニに非常に似ている。

大昔にはナイル川下流にも生息していたが、
現在はサハラ以南でのみ見ることができる。

しかし、ワニとカバの生息する川というのも恐ろしい話である。