私が子供の頃、動物園でカバを見た。
そのカバは尻尾を回転させながらフンを出し、
それを撒き散らしていた。
まるでスプリンクラーのようだった。
さて、河馬の名は西洋でも川の馬として知られている。
馬というより豚のような体つきに思えるが、
実際には鯨に近い動物らしい。
鯨は牛の仲間から派生した動物である。
馬でも豚でもなく牛であった。
草食動物であるが、非常に獰猛なことで知られ、
強靭な体躯をも併せ持つため大変危険である。
サイと並んでゾウに次ぐ体格の持ち主だが、
自動車並の速度で走るうえに、アゴの力が強力である。
ワニに噛みついて引き裂いたという話もあり、
恐怖を禁じ得ない。
実際に、不用意に近付いて襲われ死亡した人間も多く、
現地人が最も恐れる野生動物だという。
フンを飛ばして縄張りに臭いを付ける習性があり、
その縄張り内に入った者を敵と認識する。
私が子供の頃に見た行動にはそんな意味があったのだ。
また、カバはその名の通り水の中を好む。
皮膚は乾燥に弱く、基本的に水中にいる。
ただし泳ぐのは苦手で水底を歩く。
陸上で行動する際には皮膚から特殊な粘液を分泌するのだが、
この粘液は赤い汗とも呼ばれている。
なお、人間や馬のかく汗とはまったくの別物である。
皮膚を乾燥から守だけではなく、紫外線をカットし、
殺菌効果まで持つという。
水中生活に適応するため、カバの目と耳は上部に突き出ている。
水に潜ったまま周囲を窺うことができるのだが、
こうした特徴はワニに非常に似ている。
大昔にはナイル川下流にも生息していたが、
現在はサハラ以南でのみ見ることができる。
しかし、ワニとカバの生息する川というのも恐ろしい話である。