巨大な魚である。
普通、魚というと前後に長いものだが、
このマンボウという魚は縦の幅も長く、
左右の幅は狭い。
つまり平べったい板のような生き物だ。
そして、成人男性がマンボウの影に
すっぽりと隠れてしまうほど大きい。
そんな巨大魚だが、驚くほど簡単に
死んでしまうと信じられている。
曰く、太陽光が強すぎると死ぬ。
曰く、食べた小魚の骨が喉に刺さって死ぬ。
曰く、皮膚が弱く簡単に傷付きそれが元で死ぬ。
曰く、近くで仲間が死ぬとショックで死ぬ。
他にも枚挙に暇がない。
だが、これらの噂はデマである。
実際には普通の魚と大差はない。
エイやサメを除いた魚の中で最大級のマンボウに
天敵らしい天敵はいないのだが、
産み出す卵の数は非常に多い。
それらの卵は親によって保護されることがないため、
多くは他の魚によって食べられてしまう。
一時期は産卵数がアメリカ合衆国の人口に匹敵すると言われ、
その中から生き残るのはたったの二匹などとまことしやかに
囁かれていたが、こうした噂はおそらく事実ではないだろう。
なお、マンボウの稚魚は金平糖のように角ばっている。
マンボウはフグの仲間なのだが、毒は無い。
非常に美味な魚であり、食べられる部分が多いため、
船乗りたちにとっては貴重な食料であった。
私も食べたことがあるが、
残念ながらかなり鮮度が落ちていたため、
生食では不味かった。