序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年3月19日月曜日

マンボウ

巨大な魚である。

普通、魚というと前後に長いものだが、
このマンボウという魚は縦の幅も長く、
左右の幅は狭い。

つまり平べったい板のような生き物だ。
そして、成人男性がマンボウの影に
すっぽりと隠れてしまうほど大きい。

そんな巨大魚だが、驚くほど簡単に
死んでしまうと信じられている。

曰く、太陽光が強すぎると死ぬ。
曰く、食べた小魚の骨が喉に刺さって死ぬ。
曰く、皮膚が弱く簡単に傷付きそれが元で死ぬ。
曰く、近くで仲間が死ぬとショックで死ぬ。

他にも枚挙に暇がない。
だが、これらの噂はデマである。
実際には普通の魚と大差はない。

エイやサメを除いた魚の中で最大級のマンボウに
天敵らしい天敵はいないのだが、
産み出す卵の数は非常に多い。

それらの卵は親によって保護されることがないため、
多くは他の魚によって食べられてしまう。

一時期は産卵数がアメリカ合衆国の人口に匹敵すると言われ、
その中から生き残るのはたったの二匹などとまことしやかに
囁かれていたが、こうした噂はおそらく事実ではないだろう。

なお、マンボウの稚魚は金平糖のように角ばっている。

マンボウはフグの仲間なのだが、毒は無い。
非常に美味な魚であり、食べられる部分が多いため、
船乗りたちにとっては貴重な食料であった。

私も食べたことがあるが、
残念ながらかなり鮮度が落ちていたため、
生食では不味かった。