序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年3月12日月曜日

ヒトコブラクダ

背中に大きなコブがあることで知られている大型の哺乳類である。

サハラの生き物であり、
エジプトの非常に古い王朝時代から家畜として利用されている。

家畜化されてからの歴史が長い動物だが、
実は野生のヒトコブラクダは一度絶滅している。

乱獲の結果サハラから駱駝はいなくなり、
飼育されている家畜の個体のみが残ったのだ。

その後、飼育個体の脱走により、野良駱駝が繁殖、
野生に還って生息している。

なお、どういうわけかオーストラリアには
野生の駱駝が数多く生息している。
その数はなんと鳥取の人口ほどもいるという。

よく似た生物であるフタコブラクダとは非常に近縁で、
繁殖も可能なようだ。
産まれてくる子駱駝のコブは一つだが、
毛の長さはフタコブラクダのように長い。
ただし、生殖能力は無い。

南アメリカの生き物、リャマとの雑種も確認されており、
キャマと呼ばれているが、やはり生殖能力は無い。

さて、駱駝のコブの話をしよう。

駱駝は砂漠に適した生き物であるが、
あのコブに水分を蓄えていると誤解している者が多い。
コブに蓄えているのは脂肪であり、
水分の貯蔵場所は血液なのだ。

普通の生き物であれば、血液中の水分が増えすぎると、
浸透圧の関係で赤血球が破裂し、命に関わる事態となる。

しかし、駱駝の赤血球は多量の水分を湛えても壊れない。
これにより、多くの水を体に蓄えることができ、
水場の乏しい砂漠を生き抜くことができる。

なお、サラセン人はよく駱駝肉を食べる。
私も食べたことがあるが、豚肉によく似ていた。

サラセン人は宗教の戒律により豚肉を食べないが、
もし味を聞かれたら駱駝に似ていると言えば納得するだろう。