カエンタケとは最も恐ろしい部類の毒キノコである。
燃えるキノコとも称されるその見た目は、
赤珊瑚のような美しさがあり、
また、燃え立つ炎のようでもある。
しかし、決して触ってはいけない。
触れた箇所がたちまち激痛に襲われるだろう。
手袋や棒で触るのも危ない。
脆く崩れやすく、汁気が多いため、
毒汁が飛び散る恐れがある。
当然、食べるなどもってのほかである。
まず間違いなく死に至る。
具体的には以下のような地獄の苦しみを味わうだろう。
まず腹痛と嘔吐と下痢に襲われる。
続いて眩暈と手足の痺れが起こり、
呼吸が困難となり呂律が回らなくなる。
血液が破壊され、皮膚はただれ、
肝臓と腎臓と肺が冒され、そして死ぬ。
運よく死を免れたとしても、
脳が委縮し、毛は抜け落ちて、皮膚はぼろぼろになる。
更には精神や身体にその他の後遺症が残るだろう。
大切なことなのでもう一度言おう。
決して食べてはいけない。
ある旅館において、山で採れたキノコを飾っていたという。
酒に酔った客がキノコ酒と称してその中の一つを酒に浸した。
よりにもよってそれはカエンタケであった。
客は死んだ。
つまり、たとえ毒があることを理解した上で、
鑑賞や蒐集用に持ち帰ったとしても、
何らかの事故が起こる可能性があるのだ。
なお、ベニナギナタタケと呼ばれるよく似たキノコがある。
こちらは食味が良く、美味だと評判だ。
だが、カエンタケと見分けるのが困難なため、
このキノコを賞味するのは避けるのが賢明だ。