序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年11月25日日曜日

アルマジロ

アメリカ大陸に生息する
鎧を着こんだネズミのような動物である。

ネズミと比べれば大きく、
最大のもので人の幼児ほどにもなる。

鎧は毛が鱗状に変質したものであり、
想像以上に堅い。

穴を掘って眠るのだが、
この行為が農地を荒らし、
かつ数を増やしているため駆除の対象となる。

その際にアメリカ人は銃を使うのだが、
丸く湾曲した甲殻は銃弾を弾く場合がある。
傾斜装甲の要領である。

この弾かれた銃弾が人に当たったという
事件が時折起きており、現地警察は
アルマジロを駆除する際には
散弾を使うよう呼び掛けている。

アルマジロの腹部には鱗が無く、
柔らかいため外敵に襲われると
丸まって防御姿勢を取る。

ただし、完全に球状になれるのは
ミツオビアルマジロの仲間だけで、
他の種類には隙がある。

ちなみにアルマジロは南アメリカでは
よく食べられる食材である。
北アメリカでも駆除後に食べる者もいる。

味はとてもジューシーな豚肉といった風情で、
かなり美味い。

もちろん、部位によってその味わいは異なり、
一番美味なのは頬肉だろう。

ただし、鱗と毛の処理が面倒なのが難点である。
鱗が食べられないのはもちろんのこと、
毛は消化に悪すぎて食べれば腹を下すという。

アルマジロを食べるというと
奇抜な印象を受けるが、
数の多い農害獣でかつ美味いのだから
どちらかと言えばポピュラーな部類だろう。

とはいえ、飼育され万全な状態で
加工される豚肉を食べた方が安全で楽である。

人類が積み重ねてきた家畜の飼育技術と
安定供給力を思い返してみるといいだろう。