南アフリカ共和国は首都機能を
三つの都市に分散している。
司法府のあるブルームフォンテーン。
立法府のあるケープタウン。
そして、行政府のあるプレトリアである。
ブルームフォンテーンは花の泉を意味し、
その名を意識してのことか
随所で薔薇の花が栽培されている。
街中に薔薇が咲き誇ることから
薔薇の都市の別名を持ち、
ローズフェスティバルが開催される。
ネオケープダッチ様式の建物など、
植民地時代の建築を見て回るのがいいだろう。
聖アンデレ聖ミカエル大聖堂は
赤煉瓦のコロニアル様式だ。
ケープタウンは岬の町という意味であり、
有名な喜望峰に臨む街である。
アフリカーンス語ではカープスタッドとなる。
大西洋とインド洋を別つアフリカ南端部を
越えようとする船舶の補給港として
オランダ東インド会社によって建設された。
あくまで補給物資の集積と管理ができれば
良かったため、東インド会社は入植者に
大幅な自由を与えたという。
その結果、ケープタウンはアフリカ有数の
都市へと成長してしまう。
増加する入植者たちが元の住民たちと
動植物を駆逐した結果だ。
なお、街の後背にはこれまた有名な
テーブルマウンテンが鎮座しており、
特徴的な風景を作り出している。
気候が良く、名所に富み、治安も比較的
良いことから観光地として人気で、
何よりペンギンがいる。
聖公会の大聖堂は聖ジョージ大聖堂で、
重厚なゴシック様式だ。
グッドホープ城と共に見所と言えるだろう。
最後にプレトリアだが、
国際的には行政府のあるこの街が
首都として機能している。
この街の名はイングランド支配に抵抗した
ボーア人の名に因むが、都市名を
ンデベレ族首長を指すツワネに変更した、
ようなのだが、なんだかうやむやになっており、
国際的にはプレトリアのままである。
ブルームフォンテーンが薔薇の街なら、
こちらはジャカランダの街である。
街路樹として数多く植えられている
ジャカランダ並木は
さながら紫の桜並木のごとしだ。
この街は元々トランスヴァール共和国の
首都であり、反イギリスの気風が強い。
ボーア人の首都なのだ。
そのため聖公会の力は強くなく、
代表的な大聖堂はカトリックの聖心大聖堂だ。
基本に近いゴシック様式で建てられている。
以上、同時に三都市を紹介したが、
それぞれがそれぞれの地域の首都的な
性質も持っている。
首都機能は無いが大都市であるヨハネスブルクも
くわえて四ヵ国の連邦のような
雰囲気もあるように思う。
南アフリカの歴史の紹介は省いたが、
ご存知のようにとても複雑な経緯を持つ国だ。
そして全体的に治安が悪い。
幸いなことにケープは比較的治安が良いので、
喜望峰とテーブルマウンテン、
そしてペンギンを見に行きたい。