序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年11月30日金曜日

アワカルケ

見るからに毒のありそうな
黄色い斑のある草である。

驚くべきはその根の長さだ。
ビル三階分ほども伸びるその根には
微量であるが神経を麻痺させる毒がある。

トルザリアでは古来この根を使い
狩猟のための毒矢に利用してきたのだが、
銃の登場で使われることは無くなった。

だが、種子に含まれる致死性の高い毒は
その後も歴史上幾度も暗殺に使われ、
毒殺の代名詞となっている。

本邦での知名度は無きに等しいが、
現地では若者のスラングとして、
死ぬほどという形容詞に使われている。

そんな有毒植物のアワカルケだが、
一部のトカゲの仲間は好んで花を食べる。

もちろん花にも毒があるため、
体内の酵素による解毒なしでは食べられない。

花は鮮やかな赤色で、
観賞用に良さそうだが、栽培が難しく
野生でしか見ることができない。

近年の森林伐採により数も減らしているため、
現物を見ることは難しいだろう。