百の塔のプラハと呼称される
チェコの首都である。
ヴルタヴァ川の流れを中心に発展した
古い都市であり、歴史的な建造物が立ち並ぶ。
元々はスラヴ人の建てたプラハ城と
ヴィシェフラト城の間に形成された城下町であり、
黄金のプラハと呼ばれるほどの発展を見せた。
芸術家、錬金術師、占星術師が集い、
芸術と科学の都として
ヨーロッパの中心であった時期もある。
だが、プラハ窓外投擲事件に端を発する
三十年戦争によって文化の中心地は
ウィーンへと移る。
以来、チェコはハプスブルク家の
支配を受けるようになり、
独自の文化を弾圧されていった。
一次大戦によってオーストリアハンガリー帝国が
解体したことでチェコスロヴァキアとして
独立したのも束の間、二次大戦ではドイツと
ソヴィエトによって再び自由を失う。
冷戦時代は東側陣営に属していたが、
革命により共産党を打倒、
チェコとスロヴァキアは分離した。
近代以降の激動の流れの中にあっても、
プラハの街並みのほとんどは戦火を免れた。
また、社会主義陣営に属していたことで
資本主義的な発展が遅れたことで、
古い建造物が軒並み残されている。
つまり、街全体が建築博物館とでも言うべき
見所満載の最高級の観光地なのだ。
代表的なゴシック建築の聖ヴィート大聖堂は
聖ヴィート聖ヴィーツラフ聖ヴォイテフ大聖堂が
正式な名称であるがそれは置いておこう。
歴代のボヘミア王の墳墓を擁するこの大聖堂は
それはもう素晴らしく、この大聖堂だけに
一日を費やしても良いほどだ。
また、ヤン・フスが説教を行った
ベツレヘム教会もあるのだが、
街中の教会がいちいち芸術作品なので
ぜひとも散策していただきたい。
冒頭で紹介したように尖塔を持つ建築が多く、
また、家々の屋根は赤で統一されているため、
その風景は筆舌に尽くしがたい。
土産物はやはりボヘミアングラスが
いいのではないだろうか。
料理はドイツとスラヴの折衷であり、
香草や香辛料はあまり好まれないため、
わりと素朴な味わいのものが多い。
サワークリームであるスメタナが特徴的で、
ザワークラウトも好まれるため、
アクセントに酸味の利いた料理が多い印象だ。
より田舎っぽくしたドイツ料理などと
言われることもあるが、逆にチェコ本来の料理が
オーストリアなどに与えた影響も大きい。
だが、チェコといえばピルスナーである。
本邦のビールはまずほとんどがピルスナーで
あることを考えると、ビール党はチェコへ行って
本場を飲んでくるべきではないだろうか。
ちなみにバドワイザーはチェコのバドヴァーから
勝手に名前を拝借して世界的に有名になった。
本物のバドワイザーはチェコのビールなのだ。
黄金色のラガー、すなわちピルスナーは
本邦ではそれ以外のビールの存在が珍しいと
思っている者も多いほど人口に膾炙している。
聞くところによると、昔はガラス職人は
水分と栄養の補給を兼ねて、仕事をしながら
ビールを飲むのが普通だったらしい。
もっとも、酒を飲みながら仕事をするなど
普通だった地域も多いので特別な例とは
言えないかもしれないが。
さて、プラハの魅力を伝えきれていないが、
この辺りで締め括ろう。
とにかく、ヨーロッパ旅行で行先に悩んだら
プラハを候補に挙げて損はないだろう。