ヨーロッパの最西端、いや、
ユーラシア大陸の最西端である。
ポルトガルのリスボンから近く、
シントラからバスに乗って
一時間弱で到着する。
有名な「ここに地終わり海始まる」と
彫られた石碑以外には大したものは無く、
大西洋を見る以外にできることは少ない。
だが、それがいい。
視界一面の海は地球が丸いことを
直感的に理解させてくれる。
大地と海の境界で悠久の歴史を
感じたいところだが、
実はそうした感慨に耽るのは容易ではない。
何故なら、地の果てを見たいと望む者は
自分だけではないからだ。
観光客、人、人、人。
岬は人でごった返す。
ツアーに組み込まれているので
途切れることが無い。
ツアーバスだけではない。
一時間に一本の路線バス一杯の観光客が
やってきては帰ってゆく。
これらのバスを使う限りにおいては
自分もまたそのうちの一人にしかなれない。
夜闇の中で暗い海を見たところで
危険と隣り合わせでしかないため、
人が少ない時間を狙うなら必然的に早朝になる。
自分の足で未明から向かうか、
タクシーなどを利用するか、
いずれにせよ手軽ではない。
ついでに言うと、
同じことを考える者もいるだろう。
なお、本邦の観光地のように安全に配慮され
柵が設けられているというわけではない。
足を踏み外せば海の藻屑、
断崖となっている箇所もあるので
悪ふざけなどはしないように。