足から水を吸い上げる驚異のトカゲである。
体は小さく、手の平に乗る程度である。
小さくて可愛いため飼いたいという者も多いが、
オーストラリア政府の保護によって流通は少ない。
ウルル、いわゆるエアーズロック周辺に
生息しており、過酷な砂漠に順応する
様々な特徴を備えている。
体中に棘があり、斑のある茶色の体は
周囲の風景に溶け込む保護色である。
だが、モロクトカゲ最大の特徴は、
冒頭でも書いたように
水を吸い上げる能力であろう。
彼らが水たまりに足を踏み入れると、
水は皮膚の表面を伝って口まで流れていく。
毛細管現象によって、水が移動するのだが、
舌で舐めとる場合と異なり、
わずかな水分も逃さずキャッチする。
体が少しでも濡れると、
その水が口元へ移動するため、
霧を飲むことすらできる。
主な食べ物はアリで、
アリの行列を探して歩き回る。
英語ではソーニーデビル、
イバラの悪魔と呼ばれているのだが、
モロクトカゲの名も悪魔と関連がある。
ユダヤ教徒が悪魔として記している
モロクという神から拝借された名前なのだ。
母の涙と子供の血に濡れた魔王と呼ばれる
モロクの名を、体表から水を集める
このトカゲに付けた生物学者は
中二病の気があるのではないだろうか。