序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年5月15日火曜日

コーヒー

茉莉花のような芳香を持つ白い花を咲かせる低木である。
果実は赤く、甘みがある。

覚醒作用、解熱鎮痛作用、強心作用、利尿作用を
持つ成分を含んでおり、特に眠気覚ましとして、
種子を焙煎して煮出した飲料が用いられる。

飲料は黒に近い茶色をしており、香り高い。
味は苦味が強く、若干の酸味を持つが、
これは品種や淹れ方によっても変わってくる。

若い頃に西洋人の知り合いから
この国のコーヒーは何故酸味が強いのかと
訊ねられたことがある。

当時はコーヒー党ではなく、
知識も持ち合わせていなかったため、
違いがあるとは知らなかったと答えたが、
今なら説明ができる。

好まれる品種が異なるというのもあるが、
これはの違いによるものである。

一般的に硬水で淹れたコーヒーは
苦味とコクが強く出るが味わいは少々大雑把になる。
対して軟水で淹れたコーヒーは苦味が抑えられ、
酸味やその他の味わいが色濃く出ることになる。

本邦の水は軟水であり、
ヨーロッパの多くの地域の水は硬水である。
よって、本邦のコーヒーは酸味が強く感じられたのだろう。

さて、エチオピア原産のコーヒーはサラセン人が
十字軍に悩まされていた時代になってようやく
焙煎して煮出す飲み方が見出された。

ヨーロッパへはオスマン帝国を通じて知られるようになり、
砂糖の普及と共に爆発的に広まっていった。

抽出法も、トルコ人が飲んでいた挽いた豆を煮出し、
上澄みだけを飲むやり方から次第に進化していく。

フランス人が布で濾す方法を考案し、
更には漏斗を利用したパーコレータを生み出す。
そしてドイツ人がサイフォンを発明すると、
イタリア人はエスプレッソマシンを作り出した。

布で濾す方法も紙を使用するようになり、
現代ではごく簡単にコーヒーを味わうことができる。

紙と言えば、茶やコーヒーのような
書かねばならぬ情報が多すぎる記事では
圧倒的に紙面が不足する。

甚だ不本意ではあるが、
コーヒーの紹介はこのぐらいにしておこう。