序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年5月22日火曜日

南瓜

オレンジ色の果肉を持ち、
火を通すとほくほくとした食感と
甘みを楽しむことのできる野菜である。

カボチャという呼び名は実は外来語である。
ポルトガル人が持ち込んだ植物で、
彼らはカンボジアから本邦へ運び込んだ。

このため、カンボジアが訛り、カボチャとなったのだ。

英語ではパンプキンとして知られているが、
これは皮がオレンジ色の品種を指す呼び名である。

我々が普段口にしている緑の皮を持つカボチャは、
スクウォッシュという聞きなれない英語名である。

さて、カンボジアから持ち込まれたと書いたが、
カボチャはインドシナ半島が原産ではない。
中央アメリカに起源を持つ新大陸の植物なのだ。

古くから料理に使われている印象が強いが、
その歴史は意外と浅い。

もっとも、原産地の中央アメリカでは、
主食であるトウモロコシよりも栽培の歴史は長い。

火を通すと甘くなるのは、
でんぷんを糖へと変える酵素を持つためである。

酵素による糖化なので、
じっくりゆっくり火を通した方が甘くなり、
また、貯蔵による熟成でも甘くなる。

種もナッツとして食用にされているが、
本邦ではこれを単体で売っていることは
そう多くないように思う。

種は生薬としても用いられており、
腸内の寄生虫を駆除する、
いわゆる虫下しとして重宝された。

よく知られた風習に冬至にカボチャを
食べるというものがあるが、
実はこれ、明治期以降に普及した習慣である。

迷信の類というよりは、
冬に不足しがちな栄養素を補給しましょう
というニュアンスが近い。

なお、ハロウィンのジャック・オー・ランタンに
使われているパンプキンは、鑑賞用もしくは
飼料用に栽培されているため、
人間が食べてもあまり美味しいものではない。
腐るまで放置されることも多いという。