ペルビアンペンギンとも呼ばれる
南アメリカ西岸に生息するペンギンである。
名前の通りフンボルトペンギン族であり、
その姿は非常によく知られている。
胸の黒い筋は太く、首は白い。
くちばしの根元はピンク色で、
顔にはくっきりとした白い筋がある。
ガラパゴスペンギン以上に
フンボルト海流の恩恵を受けており、
心地よい気候の中でゆるゆると暮らしている。
ただし、やはりエルニーニョの影響で
数を減らしているようだ。
本邦では大正帝の御代に上野の恩賜動物園へと
寄贈されたのが初上陸である。
これはフンボルトペンギンに限らず、
すべてのペンギンの中で最初の事例である。
また、本邦ではフンボルトペンギンの
繁殖が確立されており、気候が合っていることも
相まって最も多いペンギンとなっている。
一説によると、飼育されているフンボルトペンギンの
一割が本邦にいるとされるほどだ。
自然環境下ではペリカンの仲間と共に岩場で生活している。
このペリカンもまた白黒模様であるため、
遠目では一塊となった彼らを見分けることは難しい。
卵を産む際には浅い穴を掘り巣とするのだが、
穴掘りは意外なほど上手いものである。
ただし、掘っている途中でよくわからなくなり
足がむなしく空中を漕ぐ場面も見受けられる。
そういえば、本邦においてもっとも有名な
フンボルトペンギンは東武動物園にいた
グレープ君だろう。
彼はアニメとのコラボレーション企画で展示されていた
フンボルトペンギンの擬人化少女のパネルに
恋をしてしまったことで知られている。
ペンギンとしてはお年寄りに分類される年齢だった
グレープ君は、老いらくの恋の中、天寿を全うした。
多くのペンギンは二本足で歩く我々人間のことを、
仲間だと誤認する傾向にあるという。
飼育員に求愛ディスプレイを行う例も少なくないため、
グレープ君の恋も決してレアケースとは言えないかもしれない。
ペンギンは愛情豊かな生き物なのだ。