ナミブ砂漠にのみ分布する奇妙な植物である。
本邦では砂漠万年青や奇想天外とも呼ばれる。
奇想天外とはあまりの言い草ではないだろうか。
塊状の茎を持ち、二枚だけの葉を持つ。
この葉の長さが尋常ではない。
なんと土俵の直径ほども伸びるのだ。
片方の葉だけである。
両方とも伸びるので全長は凄まじい。
だが、実際には曲がりくねって
茎の周囲に留まるため、
そこまで大きくは感じない。
また、葉が二枚しかないようにも見えない。
これは月日と共に葉が裂けていき、
周囲に溜まっていくためである。
根はなんとバスの全長ほどにまでなり、
水を求め地下深くに伸びてゆく。
砂漠ならではの特性だろう。
砂漠という過酷な環境に生えていながら、
寿命はとてつもなく長い。
確認されているだけでも、紀元前後に
発生したと推定される個体が存在する。
もっと古いものもあるかもしれない。
しかし、古いウェルウィッチアは見つかるのだが、
新しい若いものは見当たらないという。
一説によると、ある時期を境に地下水の層が
より深い位置まで下がってしまい、
新しい株は根が水に届く前に
枯れるようになってしまったそうだ。
なお、この植物の種を採取し、
乾燥地帯ではない場所で育てると、
印象の違う姿に成長する。
本邦でも園芸用に栽培している者は
少なくないようだ。
もしかすると、本来は砂漠の植物では
なかったのかもしれない。