序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年5月12日土曜日

ドウケツペンギン

巨大な白いペンギンである。
正しくはアンタクティカドウケツペンギンと言う。

南極大陸の内陸に巨大な山脈がある。
その山脈にはいくつもの洞窟が口を開けており、
内部で繋がり複雑な構造をしている。

このペンギンは、そうした洞窟に暮らしており、
暗闇の中で生きてきた。

ミスカトニック大学の探検隊によって発見された
このペンギンの大きさは成人男性の背丈を超え、
見上げるほどだったという。もはや怪物である。

日の差さない環境に適応した結果、
目は退化し小さく、ほとんど見えない。
また、全身が真っ白である。

あまり動くことなく洞窟内でじっとしているらしい。
ショッゴスの排泄物や老廃物を食べながら、
省エネルギーな生き方をしているようだ。

時折ショッゴスに捕食されているようで、
洞窟内には古い骨が散乱していたという。

ある教授はショッゴスは意図的にこのペンギンの
近くで排泄を行い、彼らに食料を
提供していると推測している。

つまり、家畜を育てるように
ペンギンを太らせてからいただくというのだ。

ショッゴスの知能がどれほどであるかは
議論の余地があるが、
この説が事実だとすると相当高いに違いない。

ショッゴスの話はともかくとして、
ドウケツペンギンはかなり古い時代、
まだ南極大陸が暖かかった時代に
大陸内部へ移り住んだとされる。

その後の気候変動に伴い外界から隔離され、
独自の進化の道を歩んだのだ。

暗闇の世界で彼らが生き残れたのは
幾つもの偶然が重なってのことだろう。