序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年5月20日日曜日

胡瓜

胡瓜の字を素直に読むなら こうり だが、
熟すと黄色くなることから黄瓜とも呼ばれていたため、
きゅうり の呼び名が定着した。

原産地はヒマラヤで、本邦へは早い時期に伝来し、
平安時代には栽培されていた。

黄色く熟したものはやや甘いのだが、
満足できる甘さではなく、はっきり言って不味いため、
爽やかさを求めて緑のうちに食べるようになった。

熟した胡瓜は江戸時代の書物において、
瓜の中で最も低質なものと書かれており、
食べるべからずとまで酷評されている。

香りはノナジエナールという成分に由来しており、
その独特な臭気を嫌う者も少なからずいる。

ほとんどが水分であり、
含まれる栄養素も極めて低いが、
歯ごたえとすっきりとした食感から、
暑い時期や地域において大変好まれる。

若干ではあるが利尿作用と血圧を下げる効能があり、
体内の熱を下げたり、アルコールの代謝を促す
働きも期待できないわけではない。

現在では通年収穫されているが、
元々は夏野菜の代表格であり、
実際に夏に食べるととても美味しい野菜である。

ところで、胡瓜といえば河童の好物である。
なぜ彼らが胡瓜を好きなのか、
その由来は様々な伝説となっているが、
これといった決め手はない。

恐らく、数多の伝承が混じった結果だと思うのだが、
長くなるので割愛する。

河童は代表的な妖怪として知られているが、
その成り立ちが複雑すぎて、
簡単に説明することは不可能である。

もしも、妖怪好きを自称する者が、
河童とはこうであると断言するようであれば、
その人物が持つという妖怪知識は、もしかしたら
少し疑ってかかった方が良いかもしれない。