マダガスカル共和国の首都である。
千の町という意味であり、
タナナリヴやタナと略される。
マダガスカルはモザンビーク海峡を挟んで
アフリカの沖合に存在する島だが、
住民は東南アジアの血を引く。
マダガスカルは大きな島であり、
海外との交流も少なかったことから、
そこに住む者たちの多くは長らく
島自体の呼称を持たなかった。
先祖の土地を意味するタニンヂャザナという
呼び名が、現在では美称として時折使われる。
マダガスカルはマルコ・ポーロの
勘違いから生まれた名前である。
彼はサラセン人から南の海に
マダゲイスカーという場所があると
伝え聞いたという。
これはソマリアのモガディシュ港のこと
だったのだが、ポーロはこれを
島だと思い込んだ。
後に喜望峰を回ってやってきたポルトガル人は、
マダガスカル島を発見し、これこそが
ポーロの言っていたマダゲイスカーに
違いないと考えたのだ。
さて、アンタナナリヴは元々青い森という
意味のアナラマンガという村であった。
マダガスカル統一を果たしたメリナ王国が
この地に都市を建設し、後に首都とする。
以来、フランスの植民地時代も独立後も
マダガスカルの首都である。
街の見所は王国時代の
マンジャカミアディナ宮殿だろう。
丘の上に佇んでいるが、
実は火災によって内装は失われている。
宮殿のある丘からは街が一望でき、
植民地時代に近代化が進んだ
煉瓦造りの家々が立ち並んでいる。
アンドハロ大聖堂はフランス流の
端正なゴシック建築であり、
ヨーロッパのものと比べても遜色がない。
インフラもある程度整備されているのだが、
残念ながら治安が悪い。
アフリカ南部のくくりで言えば良い方だが、
旅先として人気のマダガスカルの首都
ということもあり、観光客狙いの犯罪が多い。
ただし、食事は悪くない。
東南アジアに起源を持つ米を主食とした料理は
アフリカ文化と融合し、南国の香りを漂わせ、
フランスによって洗練された。
コーヒーの自生地であることから
カフェ文化も根強く、
ハーブティーも人気が高い。
酒に関しても種類が豊富で、
ピルスナー、ワイン、ラム酒など、
いい酒が多いが輸出はほとんどしていない。
本邦で言うところの酒の肴も充実している。
ちなみに、海外ではいわゆる つまみ は
概念が存在しない場所が多い。
酒と言えば食事中に水代わりに飲むか、
食事とは無関係に酒だけを飲むもの
という地域の方が圧倒的に多い。
つまり、異邦人にとって酒肴という文化は
馴染みが無いケースが多いのだ。
ゆえに居酒屋が観光客に人気なのである。
話が逸れたが、マダガスカルは
独自の生態系を持つ自然を満喫できる
観光地だが、このように酒と食事を
楽しむこともできるのだ。
治安は気になるが、都市部にも立ち寄って
舌を喜ばせるといいだろう。