エヌゲニアで産出するガラス質の鉱物である。
透明度はサレン湖の水のごとしと謳われ、
永久氷晶と称える詩人もいる。
宝石として見た場合、
硬度が不足するため価値は高くないが、
古くから人々を魅了してきた。
研磨し、動物のトーテムをお守りとして
作るのだが、現在は土産物屋で安く買える。
かつての貴重さは損なわれたが、
エヌゲニアの重要な観光収入源である。
シャーマンに頼めば守護獣を見てくれるので
どうせなら自分のトーテムを購入しよう。
工業的な利用をするには産出量が少ないが、
レンズやプリズムの素材に向いている。
アドラノンプリズムといえば高級品だ。
例によってパワーストーンとして
どのように紹介されているか
見てみたいところだが、
本邦では流通が無いようだ。
なので秘められたパワーやら
浄化方法やらは不明である。
なお、エヌゲニアでは先祖の霊と
交信する媒体として祈りに用いられていた。
伝説として、森の女神が冬の新月の晩に
月を恋しく思い流した涙が凍ったもの
だとされている。
なかなかロマンチックだが、
月を殺したのは森の女神自身である。
身勝手な理由なのでそれで流した涙
というも少し冷えた目で見てしまう。
なお、アドラノンの原石を月にかざすと
人間に火をもたらした狼が見えると
言い伝えられている。