バサルトとも呼ばれる一般的な火成岩である。
火成岩とは火山から噴き出た溶岩が
冷えて固まった岩石のことだ。
その中でも急激に冷えて固まったものを
火山岩と呼び、ゆっくり固まったものを
深成岩と呼ぶ。玄武岩は火山岩である。
玄武岩の成分は主に二酸化珪素である。
シリカと呼ばれる物質で、
石英、つまり水晶と同じものだ。
つまるところガラスである。
玄武岩の場合、二酸化珪素は五割ほどで、
残りに様々な酸化金属が混在している。
色は通常、黒だが、
含まれている成分によっては灰色や
赤みがかった色にもなる。
さて、玄武とは東アジアの呪術において、
北という方角を象徴する霊獣の名である。
玄は黒を意味し、蛇と亀の融合した姿を持ち、
五行では水に対応する。
五行の水は陰中の陰であり、
陰陽の中で最も陰に近いものだ。
このため、玄武は太陰すなわち月の神という
性質も持ち合わせている。
また、亀は長寿、蛇は再生の象徴であり、
不老長寿や冥界とも関連付けられ、
玄天上帝として祀られた例もある。
玄武の武は武具の武である。
鱗と甲羅を身にまとった姿が、
甲冑を想起させたのだろう。
だが、武神としての性質は
北という敵対者である異民族のやってくる
方角が忌避され、信仰を集められず廃れた。
玄武岩に話を戻そう。
実はこの名前、黒く硬いから玄武と
名付けられたわけではない。
本邦において兵庫県の玄武洞に因んで
名付けられたものである。
玄武洞は柱状節理に覆われた洞穴で、
玄武岩の美しさを堪能できる場所だ。
柱状の岩が絡み合う様子が、
鱗と甲羅を想起させ、色も黒かったことから
玄武洞と名付けられた。
そこから玄武岩の名が付いたのだから
親和性が高いのも頷ける。
ところで明治期にこの名が付けられる以前は
何と呼ばれていたのだろうか。
残念ながら寡聞にして知らない。
よくある岩なので、分類などせずに
単に岩だったのだろうか。
バサルトの語源もはっきりしていない。
大プリニウスはエジプト人がエチオピアで発見し、
ベーサナイトと呼んでいたと
嘘か本当か分からないことを書いている。
読み返してみたが大プリニウスは
本当にテキトウなことばかり書いている。
私は少し真面目に書きすぎているかもしれない。
最初はもっと胡散臭い文章を
書き連ねる気であった。
もうすぐ年も変わることだし、
新年からは初心に立ち返ることも検討したい。