明かりを意味する名を持つ広大な湖である。
ニアサ湖とも呼ばれるが、
ニアサとは湖を意味するため重言となる。
アフリカ大地溝帯の裂け目に
水が流れ込み形成された湖で、
深さ大きさ共に屈指のものだ。
ザンベジ川の水源でもある。
この湖を初めて訪れたヨーロッパ人は
ディヴィッド・リヴィングストンであり、
彼は暗黒大陸と呼ばれたアフリカ南部の内陸部を
探索して回った名うての探検家である。
マラウイ湖には口の中で卵を育てる魚などが
千にも届く種類生息しており、固有種も多い。
この湖の魚たちは卵の扱いについては
非常に独特の進化を遂げている。
湖のガラパゴスと呼ばれることもある。
この湖に生息する貝類は
人にも寄生する住血吸虫を
保有しているものが多い。
住血吸虫はマラウイ湖を泳ぎ回っており、
皮膚から人間の体内に入り込む。
つまり、この湖に入ることは危険である。
マラウイ湖でのダイビングは色とりどりの魚が
見られるとあって人気なのだが、
こんな落とし穴が潜んでいるのだ。
もっとも、泳がずとも生水に触れるだけで
寄生される可能性が存在する。
実は観光客の減少を恐れるマラウイ政府によって
長らくこの事実は隠蔽されていた。
マラウイ湖に住血吸虫はいないということに
なっていたため、各種旅行ガイドにも
そのように書かれていた。
このため、無防備に泳ぐ外国人は数知れない。
もっとも、住血吸虫はこの湖固有の存在ではなく、
アフリカ南部の淡水にはよくいるため、
マラウイ湖だけが危険なわけではない。
恐怖を煽ってしまったが、
住血吸虫病はフラジカンテルという薬で治せるため、
マラリアと比べればそれほど脅威ではない。
現地人は普通にこの水を飲み、調理に使い、
洗濯に使い、体を洗う。
ちなみに住血吸虫は一応アフリカ以外にも
生息しており、各地で死者を出している。
本邦にも存在したのだが撲滅に成功している。
聞くところによると住血吸虫を完全に
駆逐した国は今のところ本邦だけらしい。
住血吸虫の話ばかりしてしまったが、
マラウイ湖は魅力的な場所である。
特に前述のように独特の進化を遂げた
魚たちの生態は非常に面白い。
凄まじい規模の蚊柱が立つことでも有名だ。
蚊といえばマラリアの被害も多いので
注意されたし。
結局風土病の話になってしまったが、
アフリカ旅行へ行くのなら
どのみち病への対策は大前提となる。
知っておいて損はないだろう。