序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年12月24日月曜日

砂岩

文字通り砂が固まりできた岩である。

ただし、その辺の砂を集めておけば
岩になるというわけではない。

湖や海の底に堆積した砂が、圧力と、
水分中の炭酸カルシウムによって
長い年月を掛けて固められたものである。

砂は主に石英と長石であるが、
できあがる過程の性質上、
他にも様々なものが混ざり込む。

このその他の物質によって
砂岩の色が決まるため、
何色であるとは言い難い。

水を吸いやすいため、湿度の高い地域では
建材には向いていないが、
降雨の少ない地域では一般的である。

他の岩石と比べるとやや脆いのだが、
それゆえに加工がしやすく、
構成物が砂の為粒子が細かく却って崩れにくい。

本邦では前述のように建材には向いていないが、
砥石としては古くから使われてきた。

砥石は粒子の細かさで種類が別けられており、
荒砥、中砥、仕上げ砥というのだが、
砂岩は荒砥として利用される。

道具である砥石の話になってしまうが、
砥石がいつ頃から使われてきたか
知っているだろうか。

金属の刃を研ぐイメージが強いが、
磨製石器の製作にも砥石は使われた。

つまり、砥石は石器時代からある
人類最古の道具のひとつなのである。

古代の鏡の製作にも必要であったし、
金属の刃物が登場してからは
軍事的な戦略物資であった。

本邦の砥石は良質なものが多く産する。
砥石と刃物は切っても切れない関係にあり、
本邦で独特な刀剣が生まれたのは
良質な砥石の存在も影響したと考えられる。

本阿弥家のような刀剣の研ぎ師は
刀工と同等かそれ以上の技術者
もしくは芸術家として重用され、
尊敬される存在であった。

砂岩の話からだいぶ逸れてしまったが、
刀剣を語る際には研磨についても
思いを巡らせてみてほしい。