黄金海岸に面するガーナの首都である。
ガーナの名はかつて西アフリカに存在した
ガーナ帝国にあやかり拝借したものである。
位置的にはかなりずれている。
ガーナもまたこの地域の例に漏れず、
ポルトガル人の奴隷貿易の拠点であった。
だが二点、特異な部分がある。
ひとつめは金が多く産出したことだ。
これにより、黄金海岸と呼ばれるようになった。
ただし、現在の主要な産品ではない。
ふたつめは、奴隷貿易華やかなりし頃に、
この地にはアシャンティ王国という
現地人の国が隆盛を極めていたことである。
アシャンティ王国はヨーロッパ人から
銃火器を購入し、その武力で以って
周辺部族を圧倒した。
戦いで敗れた周辺部族の者たちは
奴隷として連行され、
ヨーロッパ人に売られていった。
だが、アシャンティ王国はイングランドに滅ぼされ、
黄金海岸はイングランド植民地となる。
おそらくイングランド人が奴隷よりも
黄金を求めるようになったためだろう。
独立後、幾度かクーデターはあったものの、
民主化が進み、政情は安定している。
経済的にもカカオの輸出が安定しており、
近年では沖合に大規模な油田が発見された。
油田開発が軌道に乗れば発展が見込めるだろう。
さて、首都のアクラだが、近代的な都市である。
清潔で文化的で、それでいて
良い意味で猥雑さが活力を感じさせる。
マコラ市場を歩いてみれば、
人々のバイタリティに自然と心も浮き立つだろう。
近隣のコートディボワールやリベリアや
シエラレオネと何故ここまで差がついたのか。
詮無い比較は置いておいて、
大聖堂の話をしよう。
なんと、アクラの街には三つも大聖堂がある。
カトリックの聖霊大聖堂と、
聖公会の聖三位一体大聖堂と、
メソジストのウェスレー大聖堂だ。
まず聖霊大聖堂なのだが。
アールデコ様式、ということで、いいのだろうか。
建設された時代を考えると少し遅いが、
おそらくアールデコだろう。
資料が乏しいためはっきりとしたことが言えない。
かなり独特な外観をしており、
カトリックの教会とは思えない。
もっとも、そういう教会は世界中にあるが。
アクラに行くのであれば見ておいた方がいいだろう。
わざわざこの建物を見るためにアクラに行くのは
よっぽどの建築マニアだと思うが。
続いて、聖三位一体大聖堂を紹介しよう。
イングランドの面影を感じる煉瓦造りの
コロニアル様式のこの大聖堂は、
ちょっとお洒落な田舎の教会という風情である。
観光するには地味だが、緑の屋根と
赤茶色の煉瓦のコントラストは絵になる。
そして、ウェスレー大聖堂だが、
これまた煉瓦造りのコロニアル様式だ。
聖公会のものよりも立派に見える。
塔の印象の違いだろう。
さて、大聖堂の紹介で紙面を圧迫しているが、
他の名所として独立広場についても書いておこう。
だだっ広く、黒い星をあしらった
モニュメントのあるこの場所からは
少し共産主義的な匂いを感じる。
冷戦時代に東寄りだった名残だろう。
最後にガーナ料理について記載しよう。
ガーナ料理といえば、唐辛子とトマトである。
美味いが、基本的に辛いので覚悟した方がいい。
トウモロコシの甘みの少ない品種と、
キャッサバを発酵させ、
バンクーと呼ばれる団子状の主食を作る。
発酵由来の酸味があるためクセが強いが、
これが辛いソースと相性がいい。
この組み合わせはなんとなく
香りこそまったく違うものの、
インドカレーを思い出させる。
スパイシーな料理が好きなら気に入るだろう。
ちなみに、多くの場合オクラでとろみが
つけられており、魚介類か鶏肉が入っている。
ピーナッツベースのスープも好まれ、
鶏肉はこちらに使われることの方が多い。
いずれにせよ、香辛料が苦手でなければ、
ガーナ料理はお勧めである。
と、アクラの良い所を書いてきたが、
本邦の感覚で見て歩こうとすると
住民の適当さ加減に衝撃を受けるだろう。
特に酷いのがゴミの廃棄である。
川べりにうずたかく積まれたゴミ山と
黒く染まった川。
そんな負の側面も見ておくといいかもしれない。
追記
どこの街でもそうだが、
飛び抜けて治安の悪い地域というものがある。
アクラにも漏れなくあるので、訪れるなら
しっかりと現地情報を確認されたし。