序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年9月10日月曜日

ギンピ・ギンピ

背の高いイラクサの仲間の植物である。
果実は薄桃色をしていて可愛らしい。

だが、イラクサと聞いて
ぴんときた方もいるだろう。

この植物、非常に細かな産毛のようなものが
葉だけではなく様々な場所に生えているのだが、
柔らかそうに見えて実は刺さる。

刺毛は細さと鋭さが凄まじいため、
優しく触れただけで刺さる。

そんな細かい毛が刺さったところで、
普通なら痛みもなく気付きもしないのだが、
困ったことに毒がある。

イラクサの毒は一日ぐらい痛い思いを
するだけで済むのだが、
ギンピ・ギンピの場合は冗談で済まない。

三日間、耐えられぬほどの痛みが続く。
多少収まるが、二週間更に痛みが続く。
少し弱くなるが、二年間は痛みが続く。
その後も刺激を受ける度に痛むという。

体験談によると、酸を浴び、火傷をし、
電流を流されるような激しい痛みらしい。

この植物に関しては本当に洒落にならない。
終わらない痛みに絶望し、
命を絶つ者もいたという。

何も知らずにトイレットペーパー代わりに
この植物の葉を使った者が、苦痛のあまり
拳銃自殺したという与太話まである。

噂では軍事利用しようと
研究されたこともあるらしいが、
取り扱いが難しすぎて中止されたようだ。

使う側まで被害を受ける恐れがあったのだろう。

なお、触れてしまった場合の治療法だが、
薄めた塩酸を塗り、刺毛を溶かした後、
刺さってしまった部分を取り除くため、
ワックスを使いひっぺがすそうだ。

治療法まで痛そうである。

生息域はオーストラリア北東部だ。
旅行の際にはそういう植物もあるという
ことを念頭に置いて行動した方がいい。

そもそもあの大陸には危険な
生き物が多すぎる気がする。