ヨーロッパコマドリのことである。
本邦のコマドリとは種が違う。
本邦のコマドリはツグミの仲間で、
ヨーロッパのコマドリはヒタキの仲間だ。
西洋より紹介された際に、本邦のコマドリと
見た目がよく似ていたため、
近縁種だと思われたのだ。
文献の翻訳でもコックロビンは
駒鳥と訳されており、混同が進んだ。
コックとは雄のことなのだが、
これはヨーロッパコマドリとミソサザイは
同じ鳥だと考えられており、
それぞれ雄と雌だとされていたことに由来する。
ちなみに雄のコックに対し、
雌はヘンである。
ロビンとはロバートなどの短縮形の人名である。
中世に動物に対して名前を付けることが
流行したことがあり、その名が定着した。
ロビン以外の呼び方としては、赤い胸や赤い小鳥、
喉が赤い小鳥などとそれぞれの言語で呼ばれる。
目の周りから胸にかけてが赤く、
腹が白く背側が灰色のこの鳥には、
その見た目となった由来を語る伝説がいくつもある。
いずれも他者を思いやり、献身的な行いをしたために、
現在の色になったとするものばかりで、
この鳥がいかに人々に愛されてきたかが分かる。
これは、ロビンが人間への警戒心の薄い鳥で、
気安く近寄って来ることで愛着が湧きやすかった
ことが理由だろうと思われる。
鳴き声は独特で、決まったパターンを持たない。
このため、鶏のコケコッコーや鶯の
ホーホケキョのような定まったオノマトペがない。
ちなみにコマドリの鳴き声はヒンカラなどと書かれる。
馬のヒヒンといういななきに似ていることから、
駒鳥と名付けられたのである。
この鳴き声の違いからもヨーロッパコマドリと
本邦のコマドリが別の鳥だとわかるだろう。
何故かコックロビンではなくクックロビンとして
広く知られているなど、本邦においては
なにかと誤認の多い鳥である。