序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2019年1月19日土曜日

ウグイス

茶褐色の羽毛を持つ小鳥である。

東アジアに生息しており、
本邦から連れていかれた
ハワイのウグイスというのも存在する。

普段は樹上ではなく地面の上で生活し、
林や藪、笹の中でさえずっている。

このため、声はすれども姿は見えず、
英語では藪でさえずる者と呼ばれる。

梅の蜜を吸うため樹上に上ることで
よく目にするメジロと
混同されていることが多く、
ウグイスの姿を知らない者は多い。

もしかしたらウグイスと聞いて
思い浮かべる姿はメジロなのかもしれないと
一度疑ってみた方がいいかもしれない。

ちなみにメジロの羽は緑がかった褐色だ。

混同の理由は様々あるが、花札の二月の
十点札が梅に鶯であり、
梅とセットで覚えられていることが大きい。

前述のように梅の木に止まっているのは
かなりの確率でメジロの方だ。
花札の絵も緑色の鳥として描かれている。

ところで、ウグイスの糞に含まれている
酵素には角質を柔らかくする効能がある。

このため、顔の小じわや肌のキメ、
くすみを改善する。

このことは古くから知られており、
にきびの治療薬ともなる。

また、脱色作用があるため
着物の染み抜きに使われ、
何かと重宝される存在であった。

ただし、小鳥の糞であるからして、
集めるのは容易ではない。

ウグイスの糞と称して別の鳥の
糞を販売しているケースが非常に多いが、
同じ酵素を持つため効果は一応ある。

ちなみに、ウグイスの糞は毛生え薬としても
知られているが、こちらは科学的根拠がない。

さて、ウグイスといえば鳴き声である。

現在では野鳥のため飼育が禁止されているが、
昔は鳴き合わせや品評会により鳴き声を
競い合う文化が存在した。

こういった文化はウグイスに限らない。
鈴虫のようなものにまで品評会があるのだから、
本邦の人間の自然の事物に対する拘りは
やはり尋常ではないと思わされる。