序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2019年1月29日火曜日

カカポ

夜のオウムを意味する名を持つ
ニュージーランドの鳥である。
フクロウオウムとも言う。

夜行性であり、ずんぐりとした体つきを
していることからフクロウと呼ばれるが、
れっきとしたオウムである。

オウムにせよフクロウにせよ、
鳥は飛ぶものだが
カカポは飛ぶことができない。

ニュージーランドにはキーウィもいるが、
元々肉食獣がいなかったため、
飛ばないという選択肢があったのである。

だが、人間と共にやってきた
猫や犬が彼らを脅かしている。

カカポは匂いに敏感だ。
発達した嗅覚で食べ物を探す。
果実や花、樹液などが好みらしい。

そして自身も蜂蜜のような香りを放っている。
これは仲間同士でお互いを識別するための
ものだと考えられている。

この特徴的な匂いは捕食者にも
簡単に居場所を伝えてしまう。

昔は空から舞い降りる猛禽類だけを
警戒していれば良かったが、
人間の連れてきた生き物は皆鼻が利く。

もちろん、人間によって狩られることも多かった。
マオリ族はかつて食用に狩猟していたが、
どんな味だったのかは寡聞にして知らない。

なお、本来の寿命は長く、
干支が一回りするほどだ。

ちなみに、非常に好奇心旺盛で
人間への警戒心が薄い。

人に限らず元々の天敵である
猛禽類以外を恐れないのだろう。

カカポは絶滅危惧種である。
それもかなりまずい状況で、
肉食獣のいない島に集められての
保全活動が行われている。

つまり、純粋に野生のカカポはもう
いないと言ってもいいかもしれない。

現存しているカカポにはすべて名前が
付けられているそうで、逆に言うなら
その程度の数しかいないということでもある。

仮に数が回復したとしても、
もはやカカポが自然に生息できる島は
他に無くなっている。

彼らは最後の楽園で暮らしているのだ。