序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2019年1月18日金曜日

デレグセマル

丸々と太った小鳥である。
見た目からは想像しにくいが
意外と素早く飛ぶことができる。

羽の色は茶色で、頭頂部は黒い。
顔と腹は緑がかった白色をしている。

特徴的なのはその図体で、
地上に降りた様子は毛玉のように見える。

これは彼らの住む地域に多く生えている
枯れると球状の塊になる草に擬態してのことだ。

食べているのは主に昆虫であり、
時折花を食べることもあるという。
肉食性の強い雑食といったところだろう。

丸い体の大部分は羽毛であり、
刈り取れば普通の小鳥と
同じような見た目となる。

卵の大きさはウズラの卵と同じぐらいであり、
現地では集めて食用とされる。

デレグセマル自体を食べることもある。
羽毛を刈り取り、丸焼きにする。

刈り取られた良質な羽毛は地域外には
流通しないが、衣類や寝具に活用されている。

古い時代には交易品として取引されていたため、
近隣諸国では良質な羽毛を意味する言葉として
デレグセマルの訛った言葉が残されている。

しかし、乱獲により数を減らしたことで、
住民が必要な分だけに
狩猟が制限されるようになった。

絶滅する前に必要な対策が講じられたため、
個体数の減少が食い止められた成功例である。

なお、狩猟には伝統的な罠が用いられる。
大きめの石を棒で浮かし、
その傍に餌となる昆虫の死骸を置く。

すると、デレグセマルは昆虫をついばもうとして
棒を倒し、石の下敷きになるという単純な仕掛けだ。

地上にいる時に投網で一気に捕える方法もあるが、
乱獲に繋がるとして現在は禁止されている。

いずれにせよ、運動能力も知能も
少しにぶい鳥のようだ。