序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年9月25日火曜日

ケブンハウン

ユトランド半島と周辺の島からなる
デンマークの首都である。
シェラン島の東端に位置する。

街の名は商人の港を意味するのだが、
コペンハーゲンというドイツ語読みが
最も浸透している。

デンマークの名は現地語ではダンマハクと読み、
北欧神話にも登場するダンメルク、
デーン人の土地である。

シェラン島はバルト海と北海の間を
塞ぐように存在する島で、
ローマ人はハフニア、辺境の地と呼んだ。

バルト海と北海を行き来するには
この島の両端どちらかの海峡を通る必要があるが、
そこは海賊の跋扈する狭き門であった。

この地のデーン人はいわゆるヴァイキングである。
シェラン島の海賊とは彼らのことで、
管理者こそが収奪者だったというわけだ。

コペンハーゲンは東側のエーレ海峡に面した街で、
ヴァイキングの大王クヌートによって
見出された良港である。

ロスキレの司教が築いたスロッツホルメン城砦、
現在の国会議事堂であるクリスチャンボー城が
できたことが本格的な都市としてのはじまりだ。

以来商港として順調に発展するかに見えたが、
バルト海の覇者、ハンザ同盟と対立したため、
度重なる攻撃を受けた。

ハンザ同盟はデンマークを抑えつけたが、
イングランドやネーデルラントが台頭すると
勢力が衰え、新教派と旧教派とに分裂し、
大航海時代に活躍することなく消えた。

対してデンマークは、摂政である王女
マルグレーテ一世の手腕により、
ノルウェーとスウェーデンと共にカルマル同盟
を結成し、北欧に覇を唱えることになる。

マルグレーテは事実上、三か国の女王であった。

そんなデンマークも凋落していくのだが、
コペンハーゲンの話に集中しよう。

北欧のパリとも呼ばれるコペンハーゲンの見所は
数え上げればきりがない。
アンデルセン、レゴ、磁器など話題にも事欠かない。

そこでさっそく、大聖堂の話を始めよう。

カトリックに関しては、残念ながら、
コペンハーゲンはロスキレの教区内である。
なのでルター派のコペンハーゲン聖母大聖堂を紹介する。

全体的な外観はいくぶん地味だが、
入り口はまるでギリシアの神殿のようで、
内部は白亜の天井に圧倒される。

コペンハーゲンの礎を築いた司教が造った
礼拝堂が元になっており、教会内各所にある
ベアテル・トーヴァルセンの彫刻が素晴らしい。

旅行サイトなどを見てもあまり紹介されていないが、
コペンハーゲン観光をするなら行くべきだ。

他にもコペンハーゲンには魅力的な教会がいくつもある。
黒と金の螺旋状の尖塔がひと際目立つ救世主教会。
高価な大理石で建てられたフレデリクス教会。
近代の表現主義様式で建てられたグルントヴィークス教会。

教会建築だけでも超が付くほど楽しめる街、
それがコペンハーゲンだ。

個人的には、磁器の街という点も推したいが、
長くなりそうなのでやめておく。

料理についてはコペンハーゲンならでは
というものはあまり聞かない。
スモーブローやフリカデラなどデンマーク料理を味わい、
カールスバーグやツボルグを飲もう。

やたらと苦いドイツ風リキュール、ビターズも
デンマークではよく飲まれているので
面白い体験ができるかもしれない。

コペンハーゲンの魅力の一部分しか紹介できなかったが、
この街は非常にお勧めできる旅行先である。
行く人ごとに違った発見のできる面白い街だ。