フェロー諸島と共にデンマーク王国を構成する
カラーリットヌナートの首都である。
カラーリットヌナートは
グリーンランドの現地語呼びだ。
人の住む土地としてのグリーンランドは
意外と歴史が古い。
エイリーク・ソルヴァルズソンという
ヴァイキングが入植したことに始まる。
緑の島と名付けたのは、彼がここより
先に居住地を作ったアイスランドが、
氷の島などに住めるかと言われ
人が集まらなかったためだとされる。
その後いわゆるエスキモーやイヌイットと
呼ばれる人々の一部が住み着き、
この地に住む者はカラーリットと呼ばれた。
カラーリットとは彼らの言葉で人間を意味し、
カラーリットヌナートとは
人間の住む場所という意味になる。
北極圏には人の住めない島が多く存在する。
それに対しての、人の島、なのである。
ヌークはその首都で、半島を意味する。
グリーンランドで最も気候が穏やかな
地域に存在している。
この街を作り上げたのはノルウェーの宣教師なのだが、
彼は赤毛のエイリークのサガを読んで憧れを抱き、
王に嘆願して、グリーンランドへの
宣教と植民の許可を得たという。
宣教師は無事に、エイリークがかつて
人々を定着させようとして果たせなかった
ヌークを街へと変えた。
なお、デンマーク人はこの街を
ゴットホープ、すなわち希望と呼ぶ。
永久凍土のツンドラに造られた街だが、
漁業が発展しており、特にエビの輸出は
世界的なシェアを持つ。
本邦もお世話になっている。
内陸部の氷床の奥には様々な
鉱物資源が眠っているため、
これらが採掘できるようになれば
経済力は高まるだろう。
現状ではコストに見合わないが。
観光に関しては、氷河やオーロラを見るため
訪れる人々も少なくないが、
渡航コストが高く、季節も限定的だ。
このため観光業は振るわない。
食事は魚とアザラシが主食である。
アザラシの脂身を、干した魚と食べるのだ。
脂身と比べると貴重だが、
アザラシ肉も茹でて食べる。
鮪と牛の中間のような味がする。
少し臭い。
変わったところではコヨという植物がある。
この地では植物は貴重品だ。
アザラシの油に花芽をひたして保存する。
味は ふきのとう が近い。
ヌークの街ではシチューやマッシュポテト、
パンといった西洋的な食事もとれる。
カラーリットはこうした料理をダニッシュ、
つまりデンマークのものと呼んでいる。
観光向きの地域ではないが、
もしグリーンランドに行くことがあれば、
とても貴重な体験ができることだろう。