火蟻と書く。
英語ではファイアアントだ。
体色は赤いが、ファンタジー生物のように
燃えているわけでも火を吹くわけでもない。
尻に堅い針を持ち、そこから毒を注入する
ことができるのだが、毒を受けると
焼けるような痛みに襲われる。
これが火の名の由来だ。
元々は南アメリカに生息する蟻だが、
材木などと共に世界中に広まっている。
アルゼンチンアリほどではないが、
非常に獰猛なため、在来の蟻を駆逐し、
生態系を狂わせてしまう危険な外来種だ。
ハキリアリやグンタイアリのように
働き蟻には役割に応じて様々な
姿の者がいる。
また、雨季には水没する地域に生息するため、
互いにつかまり合ってイカダを作り、
女王や蛹を保護する行動をとる。
巣は小さめの蟻塚を形成するのだが、
本邦の在来蟻にはこのタイプはいない。
蟻塚を見たらそれはヒアリの巣である。
ヒアリに刺されると激しい痛みと共に
痒みを感じ、場合によっては蕁麻疹が出る。
ヒアリの毒で人間が命を落とすことは
ないのだが、アナフィラキシーショックが
起こってしまう場合がある。
アナフィラキシーショックとは、
すでに抗体のできているアレルギー物質が
再び侵入した際に、免疫が過剰反応してしまう
現象のことで、死に至る場合がある。
つまり、結果的にではあるが、
ヒアリの毒で死亡する可能性はあるので、
蟻塚を見たら近寄らずに通報してほしい。
なお、蟻対蟻の戦いではそれほど強い蟻ではない。
しばしば他の蟻との戦いに敗れ、
女王を殺されてしまう。
本邦の在来蟻でも十分太刀打ちできるため、
船荷からの侵入さえ防いでいければ
ヒアリ騒ぎは収束していくだろう。