地中海に浮かぶ広島県ほどの大きさの島である。
発音をより厳密にするならクレーテーであり、
現代ギリシア語ではクリティとなる。
アラビア語ではイクリーティシュだが、
クレーテーからの変形であることは明らかだ。
サラセン人がラブル・アル・ハンダクという
街を建設してからは島自体がハンダクスと
呼ばれるようになり、ここから更に
ラテン語で訛ってカンディアとなった。
現在はギリシア領であり
首府はイラクリオン。
このイラクリオンの前身がハンダクである。
クレタ島の代表的な遺跡クノッソス宮殿は
この街の南東に位置する。
クノッソス宮殿といえば迷宮であろう。
テセウスのミノタウロス退治の舞台である。
残念ながら現存していない、
あるいは実在していないが、
迷宮、ラビリンスという言葉の語源が
このクレタの迷宮なのだ。
ちなみに、クレタ式迷宮は一本道である。
道が枝分かれしないことが
実は迷宮の定義なのだ。
ゲームなどの娯楽分野で登場する迷宮が
一本道であることはまず無いのだが、
そこまで厳密にしてはゲーム性が低下する。
なお、枝分かれする道を持つ場合、
それは迷宮ではなく迷路と定義される。
さて、この地で栄えたミノア文明は
ギリシアやエジプトの影に隠れがちだが、
かなり進んだものであり、特に石造建築と
水力装置は特筆すべきものがある。
紀元前の水洗式のトイレなど、
いまひとつ想像しにくいだろう。
数々の遺跡やサマリア渓谷など見所は多く、
気候も、やや暑いが地中海特有の
とても気持ちの良いものである。
素晴らしいリゾート地であるという意見に
挟むべき異論は無い。