パイライトと呼ばれる鉱物である。
硫黄によって硫化した鉄なのだが、
綺麗なサイコロ状の金色の物質であり、
大変美しい。
六面体だけでなく、八面体や十二面体と
なる場合もあり、大小のこうした
構造が無造作に重なり合っている様子は
超古代文明の遺産のごとしである。
黄鉄鉱の名は硫黄と鉄の鉱物として
そのままだが、パイライトのパイロとは
ギリシア語の火を意味する。
これは打ち付けると火花が飛ぶことに
由来しており、火打石として
用いられることもあった。
黄金より真鍮に近い色と光沢だが、
古来、金だと勘違いされることが多く、
愚者の黄金の別名を持つ。
黄銅鉱という鉄ではなく銅の鉱物も
同じ色味を持つが、黄鉄鉱ほど
美しい結晶は生まれない。
ただし、黄銅鉱は酸化すると表面が
青くなり、場合によってはとても
美しいものに変化する。
孔雀石や藍銅鉱は黄銅鉱が
変化したものだという。
なお、黄銅鉱はキャルコパイライトであり、
銅を意味するキャルコが冠されている。
私が子供の頃、鉱山見物に行った際に
お土産に買ってもらった小さな鉱物サンプルに
パイライトがあったのだが、今思うと
あれは黄銅鉱だったのではないだろうか。
ちなみに、化石の中には黄鉄鉱に
侵食されたものが存在する。
アンモナイトの甲殻が黄鉄鉱となったものは
インテリアやアクセサリーとして
非常に人気がある。