序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年10月28日日曜日

ヒドロゲニウム

を生み出すものである。

ヒドロゲニウムの表記はラテン語で、
語源はギリシア語の水ヒュドールと
生み出すゲネンである。

フランス語ではイドロジェーヌ、
英語ではハイドロジェン。
いずれも水を生み出すものである。

だが、オランダ語ではワーテルストフ、
つまり水物質であり、本邦ではそれが
翻訳され水の素、水素となった。

水素は原子量が最も少ない元素であり、
この宇宙に最も多く存在する物質だ。
なんと、宇宙の質量の四分の三を占める。
ただし、ダークマターは除く。

水素はその原子量の少なさから、
気体として存在している。

凄まじい低温にまで下げれば液体となるのだが、
これは燃料として使用できるため
様々な研究が続けられている。
ちなみに固体化も可能だが非常に難しい。

なお、低温高圧状態では金属としての性質を
持つようになると考えられており、
金属水素というものがあるとされている。

近年その実在の証明が有力となり、
世紀の大発見と言われたが、
残念ながらサンプルが消失してしまったという。

もし金属水素を自在に利用できるようになれば、
燃料や爆薬として従来品より優れたものが
作り出せるだろう。

特に電子励起爆薬と呼ばれるものは凄まじい。
原子爆弾を除けば、爆薬の歴史は
トリニトロトルエンの合成成功以来、
その威力は二倍程度までしか進歩していない。

だが、この金属水素による電子励起爆薬は、
原子爆弾並の威力を持つことになる。
そして、放射性物質は発生しない。

爆薬と聞くと戦争など血生臭いことを
想像しがちだが、ダイナマイトの発明によって
鉱山の採掘効率が上がったように、
その影響力は計り知れない。
宇宙への進出にも更なる進歩をもたらすだろう。

水素の研究に限らないが、
研究者たちには是非頑張っていただき、
昔のように未来の科学に希望を持てる
社会をもたらしてもらいたい。