序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年10月19日金曜日

ヴィルニュス

リエトゥヴァの首都である。

ロシア風のヴィリニュス表記が多いが、
現在では現地語発音のヴィルニュスが
徐々に標準となりつつある。

バルト三国の一番南の国リエトゥヴァは
本邦ではリトアニアと呼ばれている。

リエトゥヴァの名の由来は古いスラブ語の
流れる水に関係しているらしいが
確かなことはわからない。

首都ヴィルニュスの名の由来は
ヴィルナ川とネリス川である。

最初のリエトゥヴァ王ミンダウガスが
城を建てたことで街の歴史は始まった。

一時はポーランドと合併し、広大な版図を
誇ったこともあるリエトゥヴァだが、
次第にポーランドに吸収されていく。
そしてスウェーデンによって止めを刺される。

以降はロシア、プロイセン、オーストリアの
都合で土地をいいようにいじくり回され、
ドイツとソヴィエトに交互に占領される。

結局ソヴィエトの構成国とされたが、
連邦の弱体化によって独立を果たした。

独立に際しては激しい闘争があった。
血の日曜日事件をニュースで聞いた時には
ヨーロッパで戦争が始まるのかと
ドギマギしたものである。

ところで首都ヴィルニュスには
かつてユダヤ人が多く住んでいた。

これは古い時代に迫害を受けていたユダヤ人を
多く受け入れていた名残である。
このため、北のエルサレムという呼称も存在する。

ただし、現在のリトアニアにユダヤ人は少ない。
第二次世界大戦時にドイツの占領下にあったことと、
本物のエルサレムにユダヤ人国家が
建設されたことが主な理由だ。

宗教的にはほぼカトリックなのだが、
スラヴ人が支配していた期間も長いため
正教会の大聖堂も存在する。

生神女就寝大聖堂がそれで、
リトアニアがキリスト教を受容する以前に
建てられた教会が基礎となっている。

ネオクラッシック様式であったが、
近代にグルジア風に改修され、
白を基調とした大変優美で幻想的な
おとぎ話に出てきそうな建築となった。

カトリックの大聖堂はヴィルニュス大聖堂だ。
正式には聖スタニスラウス聖ウラジスラフ大聖堂
だが、おそらく詳しく書くと後悔するので省く。

雷神の神殿があった場所にキリスト教に
改宗した王が建てた教会が元になっており、
近代にネオクラッシック様式へと改築された。

その姿はギリシアの神殿そのもので、
雷神の神殿が復活したかのようだ。
もちろん、この雷神はゼウスではなく、
スラヴ神話のペルクナスではあるが。

幾度も増改築されたため、
ゴシック、ルネッサンス、バロックと、
様々な様式の痕跡も見られる。

ヴィルニュスには他にも独特な教会が数多く、
教会建築を見て歩くだけで
観光として成り立つほどだ。

そもそも旧市街は世界遺産に登録されている。
この街並みを見るためだけに
観光客が訪れるのだから本物だ。

つまり、名所を列挙していられない。
興味を持ったのなら
観光サイトを調べてみてほしい。

リトアニア料理はバルト海沿岸らしい料理と
スラヴ系料理の混淆である。

ただ、それらの諸国の中では比較的
南に位置するため、香辛料や野菜、
キノコにベリーが豊富である。
つまり、バリエーションが豊かなのだ。

あとはあまり知られていないがリトアニアの
クラフトビールは独自性が高く、
伝統的な製法が今も続けられている。

リトアニアの水道は飲むのに向いていないので、
せっかくの旅行でもあることだし、
喉が渇いたらビールを飲もう。

ただし、リトアニア人は酔うと
喧嘩っぱやくなることで知られている。
トラブルを避けるためにも
飲み過ぎないように注意されたし。