水と混じり合い液状化した土のことである。
大粒の礫、小粒の砂、細かな泥、微細な沈泥、
更に微細な粘土と、粒の大きさによって
分類されている。
ぐにゃぐにゃとしたもの全般を指す言葉でもあり、
泥のように眠るや、泥酔という慣用表現もある。
なお、詩人の杜甫が、酔いは泥の如し、と
歌っているのだが、この泥とは
ある虫のことを指すという。
大陸の古い書物に記された骨のないその虫は、
海底に住まい、水中では活き活きと泳ぎ回るが、
陸地に上がれば思うように動けないとされる。
ちなみに虫というのは小さな生き物全般を指し、
必ずしも昆虫の類とは限らないので
注意が必要だ。
泥という漢字の本来持つ意味は様々で、
漢語辞書を見るに、必ずしもドロを
指すとは限らないようだ。
紙や絹のことを指すこともあるあたり、
やわらかいことが第一義なのかもしれない。
汚れのことも意味し、
顔に泥を塗るなどの慣用表現は
ここからきていると思われる。
なお、泥棒の語源は一見上記の汚いから派生し、
汚れた仕事と通ずるようにも見えるが、
押し取り坊や取り奪うが訛った言葉に
当て字したという説が有力である。
汚さとは程遠い、貴金属粉を使用した
絵具も泥と呼ばれる。
金であれば金泥というように。
そういえば子供たちは泥団子を
作るのが好きだが、ぴかぴかにする派と
そこまで拘らない派がいると思う。
拘るというのも泥の文字に含まれる意味で、
拘泥という言葉があるが、いずれにせよ
本邦では良い印象を与える文字ではない。
泥をかぶれば悪にすらなるのである。