序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年7月31日火曜日

ブラークリー

リフィー川の河口に位置する
アイルランドの首都である。

ダブリンと呼んだ方が間違いなく
知名度が高いだろう。
ブラークリーは現地語での呼び方である。

古くはプトレマイオスの地図に
エブラナとして記されている。

また、アイルランド島のことをローマ人は
ヒベルニア、冬の国と呼んでいた。

ダブリンの名はヴァイキングの言葉で、
黒い水たまりという意味である。

ダブリン城の庭にあった池のことらしいが、
何故黒かったのかが書かれている文献は
今のところ見ていない。
瀝青の池でもあったのだろうか。

アイルランドの歴史は外敵との戦いの歴史である。
古くはヴァイキングとの、
近世以降はイングランドとの戦いだ。

戦略的な要衝であるダブリンは
幾度も戦火に晒された。

だが、最も酷かったのは外敵によるものではなく、
ブリテンからの独立派と残留派が
激しく争った内戦だ。

今でも内戦の傷痕をダブリンの街で
見つけることができるだろう。

さて、珍しいことに、
ダブリンにはカテドラルがふたつある。
クライストチャーチ大聖堂と聖パトリック大聖堂だ。

主教座を持っていたクライストチャーチが
正当なカテドラルであるが、
ふたつの大聖堂問題と呼ばれる政治的対立が存在した。

もっとも、現在のクライストチャーチは
カトリックではなく聖公会のため、
その点はもはや関係なくなっている。

カトリックの主教座は現在、
聖マリー臨時主教座聖堂というところにある。
臨時、である。

もしかすると顕在化していないだけで
今でも宗教対立が存在するのかもしれない。

もちろんそんなことは観光客には関係がない。
ギネスビールを飲み、肉に舌鼓を打とう。
ウイスキーを飲むのも忘れてはならない。

ブリテン島と同じく
天候に悩まされるかもしれないが、
手っ取り早く酔って忘れてしまうといいだろう。