序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年7月2日月曜日

バジル

白い花をつける緑の濃い香草である。

原産地はインドとされ、
アレクサンドロス大王によって
地中海にもたらされた。

イタリア料理といえばバジルとトマトだが、
バジルは東方、トマトは新大陸の植物である。
意外と確立した時期は新しいのだ。

古代においてはバジルは魔術に用いる
薬草として重宝されていた。

例えばエジプトでは墓に植えることで
魔除けとしていたし、インドでは香りによって
死者を冥界に送るとされた。

香りの強い植物というのは、
呪術的な力を持つと考えられていたのだ。

意外と種類の多い植物種で、
我々がバジルと聞いて思い浮かべるものは
スイートバジルと呼ばれている。

タイ料理のガパオに用いられる
ホーリーバジルも有名だ。

バジルといえば葉を食するイメージが強いが、
種もまた嗜好品として人気がある。

バジルの種を水に浸けておくと、
中の成分が滲み出てゼリー状の膜を作る。

食べるとつるりとした食感と喉ごしに、
種のプチプチとした歯触りが楽しめるため、
飲料に混ぜて供される。

近年では本邦でもバジルシード飲料が
売られているが、タピオカやナタデココほど
人気は出ていないようだ。

なお、本邦にはかなり古い時代に伝来したようで、
一説によると弥生時代にはすでにあったという。

目箒、めぼうき という名で呼ばれていたのだが、
これを使った料理は伝えられていない。
やはり呪術目的で用いられていたのだろうか。

インドの医学書には心を鎮め気力を高めると
書かれているが、漢方の生薬に
それらしきものは見当たらない。

だが、本邦では伝統的に目薬として用いられてきた。

前述のゼリー状物質を使い、
洗眼するという使い方だ。
これが目箒の名の由来である。