序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年7月5日木曜日

タスマニアデビル

オーストラリアの南東の島、
タスマニアに生息する動物だ。
有袋類である。

見た目は耳が大きめの子熊といった風情で、
大変可愛らしい。

発情期の猫の鳴き声を少しマイルドにしたような
奇妙な声で鳴く。

夜間にこの声を聞いた入植者たちは
悪魔の声のようだと嫌がり、
デビルと名付けた。

顎の噛む力は強いのだが、
自分より大きな生き物に対しては
非常に臆病である。

悪魔とは名ばかりのか弱い動物だ。

だが、入植者たちは家畜を襲う害獣だと思い込み、
懸賞金までかけて彼らの駆除を続けたため、
劇的に数を減らすことになった。

現在は絶滅危惧種として保護されているが、
デビル顔面腫瘍性疾患という固有の病が流行し、
残念ながら数を減らし続けている。

なお、タスマニアデビルは非常に多産である。
しかし、最大でも四匹しか育たない。

これは四つある乳首に辿り着いた者だけが
成長することが可能なためで、
他は餓死してしまう。

なんとも非効率な印象を受けるが、
恐らくは、こうすることで強い個体のみが
育つようになっているのだろう。