海象とも呼ばれる北極海に棲む海獣である。
よく似た海獣にトドがいるが、
トドはアシカの仲間であり近縁ではない。
セイウチは立派な牙があることで知られている。
しかし、この牙は抜けることがあり、
必ずしも牙を備えているとは限らない。
この牙はしばしば自分の体を傷付けてしまう。
セイウチの主食は海底に棲む貝である。
トドよりも多い髭によって感覚が鋭く、
貝を探し当てる能力が高い。
鏡の国のアリスでも大工と共に牡蠣を食べていた。
セイウチには耳介が無く穴だけが空いている。
おそらく極めて冷たい水の中で暮らすため、
体温を逃がさないようになっているのだろう。
トドには小さな耳がきちんと付いている。
なお、セイウチとはロシア語の
シヴーチが訛ったものなのだが、
シヴーチとはトドのことである。
ところでセイウチを使ったエスキモー料理に
コパルヒンというものがある。
皮を剥いで袋を作り、切り分けた肉と脂肪を
詰め込んで、泥炭の中に埋めて発酵させる。
場所は北極圏のため、このコパルヒンは
当然のように凍っているのだが、
それを斧で割り、ナイフで薄く削いで食べる。
獣臭さと腐敗臭が鼻を襲う。
そして恐らくアンモニア由来と
思われる刺激が舌を襲う。
永久凍土では貴重な栄養源だ。