いわゆる猫じゃらしである。
狗尾草ともいう。
ふわふわとした穂が犬の尾に似ていることから、
犬ころ草と呼ばれていたものが、
エノコログサに転訛したと言われている。
英語では狐草である。
あのふわふわとした尻尾は確かに狐を思い起こさせる。
だが、やはり、なんといっても
猫じゃらしの印象が強い。
本邦において猫は比較的新しく伝来した動物だが、
もし、もっと古くから存在していたならば、
この植物の名は猫に関連した名前になっていただろう。
そのぐらい猫がじゃれつく。
ただ、猫は気紛れなので、気合を入れて
この植物を用意しても見向きもしないかもしれない。
さて、このエノコログサ、雑草中の雑草だが、
粟の原種である。
本邦へは粟の栽培法と共に伝来した形跡があり、
荒地でよく育つため爆発的に広まったと見られる。
実は食べることができ、
脱穀すれば粟と変わらない味がする。
可食部が少ないため普段は食べ物だと思われていないが、
飢饉の際にはこれを食べて飢えを凌いだという記録もある。
粟はパンを焼くことのできる穀物だが、
エノコログサでも作れるのだろうか。
非常に興味があるが、試すには手間と勇気がいる。
どうでもいいことだがエノコログサの穂を切り取り、
手の平の中で軽く握ると毛並みの方向に動く。
子供の頃これを毛虫に見立てて遊んだが、
今の子供もやっているのだろうか。