序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年7月3日火曜日

石炭

燃える石である。

古代植物の化石であり、
地中から掘り出し燃料として利用する。

薪炭と比べ火力が高く、
石炭が使われるようになってから
製鉄や蒸気機関が発展した。

石油が実用化される以前の高需要の時期には、
石炭は黒いダイヤと呼ばれ、
炭鉱夫は高給取りとして知られていた。

なお、ダイヤモンドも石炭と同じく炭素である。

石炭はエネルギー量が倍近い石油よりも価値は低いが、
石油よりも普遍的に存在するため、
現在も第一線で利用されている。

元の植物からどの程度石炭化しているかで
種類が分かれており、若干性質が異なる。

茶色をした脆い泥炭は燃料としては
あまり上等なものではないが、
ウイスキーを作る過程で用いられており、
独特の香りをもたらす。

褐炭は質の悪い石炭で、
水分量が多いため扱いが難しい。
廉価だが輸送コストの方が高くつくと言われている。

通常の石炭は瀝青炭と呼ばれ、
最も利用されている種類だ。

上質なものは無煙炭と呼ばれ、
その名の通り煙が少ない。
火力が高いが着火が難しいという弱点もある。

瀝青炭を蒸し焼きにしたものを骸炭と呼び、
ほぼ純粋な炭素のため非常に高い火力を誇る。

石炭の弱点として、燐や硫黄など、
余分な成分を含むことから、
炉を傷めてしまうというものがある。

また、コールタールやピッチは燃焼効率を落とし、
炉の温度を下げてしまうため、
特に高温を必要とする鋼作りの妨げになる。

この点を克服したのが骸炭であり、
その高い火力が金属加工技術に
もたらした恩恵は多大だ。

石炭が本格的に利用されるようになったのは
産業革命中の製鉄からだが、
古代よりその火力は活用されていた。

薪炭ではなく石炭を使う鍛冶屋は、
恐らく良質な鋼を扱うことができたのだろう。

チャイナでは石炭を煮炊きに使った記録があり、
石炭の火力があったからこそ、豊富な炒め料理が
発達したという説もある。

炭鉱の話もしたかったが、それはいずれまた
別の機会にとっておこうと思う。