黒玉とも呼ばれる物質である。
宝石として扱われるが、
樹木の化石で、褐炭の一種である。
昔は琥珀の一種と考えられていたため、
黒琥珀という呼び名もある。
さて、このジェット、先史時代から
装飾品として利用されてきた。
掘り出したばかりの姿は美しいとは言い難いが、
磨き上げると文字通り漆黒の如き美しさとなる。
彫刻などの加工も容易なため、
様々な工芸品が遺跡から出土する。
琥珀同様にこすると静電気を発生させる
性質を持つため、古の人々はこの物質に
少なからず神秘性を見出していた。
ただ、宝石としては扱いが難しく、
極度に乾燥すればひびが入るし、
石炭なので燃えてしまう。
だが、それほど高価なものではなく、上品な
美しさを持つため、こうしたデメリットが
ありながら大流行した時期もある。
稀にパイライトがインクルージョンした
ジェットが見つかることがある。
インクルージョンとは鉱物の内部に、
別の組成の物質が閉じ込められることを言う。
パイライト入りジェットは暗い真鍮のような
色合いと金属光沢を持ち、
妖しげな魅力を持つ。
金属と化石の融合したものだと思うと
なかなかに興味深い。
ジェットはほぼ炭素でできている。
石炭なので当然だが、炭素でできた
宝石といえばダイヤモンドこそ正統だろう。
脆さを持つ漆黒のジェットと、
金剛石と呼ばれる無色透明のダイヤモンドが、
同じ炭素であるのだから面白い。
ところで、先史時代から利用されてきた
ジェットだが、良質な原石が枯渇気味だという。
安価であったジェットの価格は今後
上がっていく可能性もあるわけだ。
エボナイトというゴムを硫化したものが
よく似ているため類似品、あるいは偽物として
流通しているとも聞く。
真贋を見極めるのは容易ではないが、
購入の際には気を付けた方が良いだろう。
長くなったので今回は
パワーだとか石言葉だとかは
スルーしておこうと思う。
基本的に後付けだということは
念頭に置いておくといい。